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FNMAのbookが、保証クレジット全体でなく自己保有分だけということの投資家にとっての意味
<再増補版>
さて、資産には、MBSで担保になっているモーゲージが含まれていないと解される。なぜなら、資産額がMBS部分を含んでいない以上、含めていないだろう。そうすると、延滞、パフォーマンスは、リスク・クレジット全体なのか、会計上の開示資産なのか、認識を要することになる。
金利未収のノンフォーミングは、 $10,934だが、FNMA発表の延滞率は、1.15% という数字は、保有ポートフォリオに対するもので、証券化を対象にしていない。しかしながら、MBS投資家も、自らのモーゲージの所持人がMBS受託者がFNMAであることから、FNMAが保全手続きに入ったときに、どのように扱われるかについて、資産に対して完全な権利が行使できるか、不確定な要因が残る。場合により、全体がひとつにされ、処理されるかもしれないリスクがないとはいえない。
<結論>
この結果から、FNMAが倒産した場合に、政府が救済をしなかった場合には、どうなるかについて、前回のノートの結論を訂正する。
なお政府は、社債、MBS投資家を救済することはないのは、発行目論見書から明らかにされている。参考(FNMA - 暗黙の保証って何? ) そこで、議会は、会社に対して資金支援や株式購入による救済という方法をとって、投資家を保護することになる。デリバティブもあり、個別の取引保証よりは、全体の救済という方法によるだろう。
MBSの投資家は、譲渡金融機関と受託者FNMAとの個別の信託契約にもとづき、個別のモーゲージ・プールごとにFNMAが発行する証券を保有する。証券に対するFNMAの直接保証はないが、個別の信託財産で約定通りの支払いに不足があれば、FNMAが信託財産を補充する責務を負う。それぞれの信託財産を構成するモーゲージ・プールが、コンフォーミング・ローンが担保だけに、きわめて質の高い資産が引当財産として個別証券ごとに設定されるので、投資家はそれにより保証されている。
FNMAが倒産したとしても、投資家はこの信託財産により保証されるし、モーゲージ・プールのサービサーが健全であれば、延滞のアドバンスも受けられるので、特に重大なリスクに晒されるとは考えられない。価格変動はあるだろうが。
他方、FNMA無担保の社債の投資家は、ここにある担保が引当財産となるので、社債$760,340を含む債権者$804,233は、民間クレジット・リスクに55%が晒される(サブプライムとAlt-Aリスクには、49%)。
しかし、毀損していない資本が$47.6bnに加えて、保証料だけで、$17.5bn営業収益があり、 上記から$100bnを損失とみれば、債務超過というのか、資本不足は、$35bnで足ることになる。
<再増補版>
GSE救済? 債務超過?-FNMA, Freddie 証券の価値評価 (増補版) で分析した数値を、SEC届出された10Qの2008.1Qから再度検討してみる。
FNMAのfinancial statement上の資産は、$843,227 であって、保証するMBSの担保資産を含まないことに注意。保証するMBSが、$2,185,292あり、合計保証クレジットが $2,776,647。資産/資本率など計算する場合に、引き受けるリスクを考える場合には、合計保証クレジットでみる。
Mortgage portfolio 726,705
total assets 843,227
shareholder's equity 38,836 (4.61%)
total capital 47,666
equity ratio 4.8%
% of equity to total credit 1.71%
FNMA MBS 2,185,292
mortgage credit 2,909,108
guaranty book 2,776,647
さて、資産には、MBSで担保になっているモーゲージが含まれていないと解される。なぜなら、資産額がMBS部分を含んでいない以上、含めていないだろう。そうすると、延滞、パフォーマンスは、リスク・クレジット全体なのか、会計上の開示資産なのか、認識を要することになる。
FNMAが保有する資産のAlt-A、サブプライムの合計エクスポージャーは、$395,800で、モーゲージとMBSに分けられ、ローンがAlt-A、サブプライムそれぞれ $314,019、$20,815を占める。投資MBSでは、Alt-A、サブプライムは、それぞれ$30 bnほどだが、投資勘定では$108 bnがprivate label MBSとなっている。
Mortgage portfolio 716,536
loans 410,935
MBS Investment 305,601
Total Exposure $395,800
Loans total
Alt-A 314,019 344,600
subprime 20,815 51,200
したがってAlt-A、サブプライムにそれ以外のprivateのクレジットリスクを加えた金額は、$47,401を加え、$443,201。
しかしながら、MBSなど証券にされておれば、時価評価をされるか、市場がなければ、FAS157にしたがって。評価されるので、元本のままで含み損を抱え放置されていることはない。信用補完を供えたAAAのprivate MBSが1ドル額面に対して70セントで取引されているとき、同様な証券は70%で評価されるだろうし、あるいはそれを参考に、延滞、ネット貸倒のパフォーマンスから客観評価されるかもしれないが、いずれにしても、市場の値があるので、それを参考に処分できないような高い評価で放置されることはない。
それに対して、mortgageのままでは、市場性がないので、fair market valueが存在しないため、FAS159にしたがって評価されることになるのか、FAS157に従うかは調べていない。Alt-A+subprimeで334bn保有しているが、もし市場評価がなされていない場合には、AA格付け証券をストラクチャリングしてみて、信用補完相当額を割り引いて評価しなおすとしたら、100bn程度の損失となるだろう。
ご関心あるかたは、どのような評価がされているか、ご自分で調べられるだろう。
しかしながら、MBSなど証券にされておれば、時価評価をされるか、市場がなければ、FAS157にしたがって。評価されるので、元本のままで含み損を抱え放置されていることはない。信用補完を供えたAAAのprivate MBSが1ドル額面に対して70セントで取引されているとき、同様な証券は70%で評価されるだろうし、あるいはそれを参考に、延滞、ネット貸倒のパフォーマンスから客観評価されるかもしれないが、いずれにしても、市場の値があるので、それを参考に処分できないような高い評価で放置されることはない。
それに対して、mortgageのままでは、市場性がないので、fair market valueが存在しないため、FAS159にしたがって評価されることになるのか、FAS157に従うかは調べていない。Alt-A+subprimeで334bn保有しているが、もし市場評価がなされていない場合には、AA格付け証券をストラクチャリングしてみて、信用補完相当額を割り引いて評価しなおすとしたら、100bn程度の損失となるだろう。
ご関心あるかたは、どのような評価がされているか、ご自分で調べられるだろう。
MGIC, PMIなどAA格付けのモーゲージ保険により、 $111,500は、ローン(場合によりプール)はカバーされているが、Alt-A、サブプライムのうちどれだけかは不明。(p.69)
Private label MBS 92,229 CE AAA
Private label MBS 92,229 CE AAA
Alt-A 30,563 23% 100%
subprime 30,383 37% 42%
commercial 25,617 30% 100%
manuf'd house 3,193 37% 20%
others 2,473 6% 98%
mortgage revenue 16,118
Private total 108,347
mortgage insured 111,500
金利未収のノンフォーミングは、 $10,934だが、FNMA発表の延滞率は、1.15% という数字は、保有ポートフォリオに対するもので、証券化を対象にしていない。しかしながら、MBS投資家も、自らのモーゲージの所持人がMBS受託者がFNMAであることから、FNMAが保全手続きに入ったときに、どのように扱われるかについて、資産に対して完全な権利が行使できるか、不確定な要因が残る。場合により、全体がひとつにされ、処理されるかもしれないリスクがないとはいえない。
延滞債権会計処理に関して、重大な処理変更がなされていると見られる。
2006年には、延滞債権の行方が、治癒、債務不履行、91日以上延滞のどれになるかの割合は、65%、22%、13%だったが、08Q1では、 44%、2%、54%で、治癒の比率が下がっており、かつ債務不履行にもしないで、延滞が続いている分類に区分されているようだ。modificationがあり、債務不履行にしないで、損失緩和策をとっている猶予しているとみられるが、こうした処理が増えれば、収益を圧迫してくる。MBS全体でなされたとき、延滞扱いでなければ、サービサーによって立替金がなされない、となれば、収益に打撃をあたえる。
2006年には、延滞債権の行方が、治癒、債務不履行、91日以上延滞のどれになるかの割合は、65%、22%、13%だったが、08Q1では、 44%、2%、54%で、治癒の比率が下がっており、かつ債務不履行にもしないで、延滞が続いている分類に区分されているようだ。modificationがあり、債務不履行にしないで、損失緩和策をとっている猶予しているとみられるが、こうした処理が増えれば、収益を圧迫してくる。MBS全体でなされたとき、延滞扱いでなければ、サービサーによって立替金がなされない、となれば、収益に打撃をあたえる。
Nonperforming loans 10,934
深刻延滞 8,096
08Q1 07Q1 2006
治癒 44% 54% 65%
債務不履行 2% 23% 22%
90日以上延滞 54% 23% 13%
信託から延滞債権購入額 1,704 (年率換算0.25%)
保証料収入 1,752 (年換算0.25%)
<結論>
この結果から、FNMAが倒産した場合に、政府が救済をしなかった場合には、どうなるかについて、前回のノートの結論を訂正する。
なお政府は、社債、MBS投資家を救済することはないのは、発行目論見書から明らかにされている。参考(FNMA - 暗黙の保証って何? ) そこで、議会は、会社に対して資金支援や株式購入による救済という方法をとって、投資家を保護することになる。デリバティブもあり、個別の取引保証よりは、全体の救済という方法によるだろう。
MBSの投資家は、譲渡金融機関と受託者FNMAとの個別の信託契約にもとづき、個別のモーゲージ・プールごとにFNMAが発行する証券を保有する。証券に対するFNMAの直接保証はないが、個別の信託財産で約定通りの支払いに不足があれば、FNMAが信託財産を補充する責務を負う。それぞれの信託財産を構成するモーゲージ・プールが、コンフォーミング・ローンが担保だけに、きわめて質の高い資産が引当財産として個別証券ごとに設定されるので、投資家はそれにより保証されている。
FNMAが倒産したとしても、投資家はこの信託財産により保証されるし、モーゲージ・プールのサービサーが健全であれば、延滞のアドバンスも受けられるので、特に重大なリスクに晒されるとは考えられない。価格変動はあるだろうが。
他方、FNMA無担保の社債の投資家は、ここにある担保が引当財産となるので、社債$760,340を含む債権者$804,233は、民間クレジット・リスクに55%が晒される(サブプライムとAlt-Aリスクには、49%)。
しかし、毀損していない資本が$47.6bnに加えて、保証料だけで、$17.5bn営業収益があり、 上記から$100bnを損失とみれば、債務超過というのか、資本不足は、$35bnで足ることになる。
投資家は、タイトル12のGSEに関する46章を読まれて、勉強中だろう。
Freddie Macについても同様に考えれば、この数値を大雑把に言えば、倍すれば、概況がつかめることになる。
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