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クレディア 民事再生手続き 別除権の算定方法と再生債権、不当利得返還請求権

毎日新聞に、不当利得について奇妙な分配率の推定が踊った。確認してみよう。

ダウンロード(pdf)

クレディアの営業貸付金は、たぶん870億円ほどとみられる。
3月末、消費者ローンは887億円、ビジネスローンが73億円、不動産担保が117億円、割賦96億円、信用保証債務572億円。
4月以降、消費者ローンとほぼ性格の同様の事業者向け無担保ローンについて、回収だけでほぼ追加の貸付が制限されているとしよう。他方リボができなければ、元利金を約定通り返済したり、一括返済したりする能力もなくなるので、月元本返済率は、4%くらいから、2%に半減するとしよう。貸してくれないから、インセンティブも減るだろう。約定通り及びそれを超えて払う返済比率が、仮に70%くらいあった水準から、どのくらい減るかは分からないが、完済するひとにも影響がでるので、月次の元本返済が全体で、半減するのはありえるだろう。

再生債権者の回収見込みを検討するため、9月末の資産負債状況を推定すると、
消費者ローン+事業ローンは、3月末から115億円の資産減(12%x960)で、845億円と見積ってみる。資産はそれ以外は増減なしとする。
銀行ローンは、510億円で、うち清水銀行が担保をとっていなかったということで、-23億円して、譲渡担保付ローンが487億円となる。
①担保設定できる貸付金額は、そうすると、845+117+96=1058
②再生手続きから除外される証券化260億円を除くと、  798億円
③銀行が譲渡担保登記を完了し、対抗要件具備も否認される恐れがないと仮定し、x110%の超過担保をとっていた場合、536億円
④差し引き担保設定されていない負担あるいは付着物のないローンは、262億円 (被担保権を除き、無担保債権の引き当て原資とできる額)

検討

問題は、③で、担保権者が手続き外で別除権を行使してくれたらいいが、銀行がこの財産を帰属清算できる状況にない。貸金債権を保有する金融機関は、誰にさービシング業務を委託しても、金利引きなおし計算し、残元本を算定しなおして回収しない限り、債務者の訴えがあれば、たえず不当利得+5%付利が発生するどころか、金利再計算で元本がいついくら目減りか分からない重大な偶発債務とリピュテーションなどの業務上のリスクをかかえたまま業務することになる。回収事務と計算事務を他人に委託して財産管理しているという譲渡通知を債務者に送付するか承諾を得る必要があり、譲渡の通知承諾が事実行為であって、法律行為でないとしても、それが被個起こす混乱も予想され、そうした業務上のリスクは避けたいだろう。当然にそのとき、引きなおし計算での債権額、みなし弁済がない場合の過払い金を記載することになる。銀行としては、担保があることは、債権保全上、必要資本や引当金計算上有益であるが、他方、そうした訴訟リスク付の有毒物を保有できないだろう。したがって、別除権は、債権者からお返ししたいと申しでて、担保権協定となるだろう。

担保評価をするときには、9月末時点で、担保設定された全債権について金利再計算をして、不当利得返還金が生じていれば、ネットして、担保価値を算定することをもとめるだろう。同様jに、金利ひきなおし計算した価格がわからなければ、任意売却、競売は困難であろうから、処分清算できて、不足額の確定のためにも、別除権行使の条件として引きなおし計算が必要となる。
仮に計算上、別除権価値が担保債権元本額x60%と見積もられ、担保債権者との間で担保権協定できていれば、別除権は、321億円となり、不足分の189億円+23億円(清水銀行)=212億円が再生債権となり、また議決権額となる。

現段階で、係属した争いを除き、金額確定し未払いの不当利得返還請求権が、かりに9億円とすれば、他に届出債権がないとすれば、
再生債権額は、221億円(212+9)
262億円の負担付着物のない債権があるが、引き当て財産価値は、資産種別にかかわらず、一律x60%の価値で算定しなおし、
157億円
となり、この時点で分配率は、71% 

金利引きなおし計算価値    60% 50%  40%  
別除権(億円)        321  268      214   
再生債権(億円)           221    274      328
引当財産価値(億円)     157    131      105
分配率                        71%   48%   32% 

信用保証業務の評価と委託契約の継続、解除の金銭評価

信用保証業務の先払い保証料について、保証委託事務の履行されていない期間が平均して半年とし、すでに発生した費用の事後求償権を差し引いて、金額算定上、ネット3か月分が未履行期間としよう。再生会社が当該保証委託契約の継続を求めても、保証委託の契約当事者は借り手とクレディアであるので、消費者から委託を途中解除されても、それにより生じる機会損失などの補償を消費者に求めることは事実上許されないだろう。
他方、保証の受益者となる銀行が、借り手から徴収したグロス金利から、4%をクレディアに支払い、保証をうける合意を、保証委託とは別に銀行とクレディアとの間で、借り手にサイレントで成立させており、実際に保証料を借り手に代わって支払っていたときには(法律構成は不明)、解除に伴う発生した補償請求がみとめられることも考えうる。その場合、委託保証料4%x(3/12)と委託者による一方的解除による損害金をネットして、ゼロとすることもありえるだろうが、保証履行能力もない信用状況で、保証委託料料をしていたという主張と証明ができれば、返戻はありえるだろう。再生会社は、2006年3月末から2007年3月末の間に、193億円から572億円に信用保証ビジネスを379億円も増加させている。1%程度の返戻であれば、それほど再生債権に影響はでないだろう。ただ銀行が保証委託解除権を有しているとは法律構成できないので、そこが争点になるだろう。
借り手は、いくらかがクレディアに保証料として交付されることは、保証委託合意から推定されるが、委託手数料の金額が不透明であり、金銭の消費貸借のグロスの借入金利で考えていれば、それがパッケージされて銀行から資金が借りれたことを先行条件として認識しているとすれば、それを返戻せよとは、主張するものはいないだろう。

それ以外に、信用保証にしたがい発生した債務不履行債権の代位弁済請求があるが、どの程度残高があるかは不明。手続き開始決定と同時に解除できれば、今後については代位弁済義務は発生しないが、委託者が消費者だけに、解除を求めるのは困難だろう。

担保権協定

担保債権者である銀行は、任意売却が可能でない限り、利息制限法超過金利受領のあった債権について、別除権を行使することは、現実的ではないと考えるでしょう。
取引履歴データベースを構築し管理維持できるコンピューターシステムを持たない限り、クレディアに回収を委ねることになる。債務者を法的に不安な状況にしないため、債務者への通知を送付することになるので、コンピューターも取引履歴、口座情報履歴も保有せずということであれば、不当利得計算事務は全部再生会社にゆだねることになるので、自分では算定できない隠れた返還請求が出てきた場合や不法行為責任については計算不能であり、そうした偶発債務を負担できない。
その結果、担保権者は担保権協定を結ぼうとするでしょう。他方再生会社は、公表されている経営方針から事業継続に必要な財産とはみなさないでしょうが、結果として合意をとって、被担保債権を縮減し、分割弁済により担保権を消滅させ、無担保債権額を確定するほかない。
金利再計算による残元本価値、不当利得返還請求権の計算を再生会社に委ねる他ない。自分で確認しように正確な計算事務能力がない。それについては、提示した担保評価の計算方式による計算について、監督委員による照合確認作業を求め、正確性を確保するほかない。


債権譲渡未登記の担保権合意

実体上担保権が合意されていても、第3者対抗要件が具備されていない場合には、あるいは再生手続き申立を停止条件とする対抗要件具備(登記)が否認された場合を含め、無担保債権者の扱いとなる。したがって、
再生債権額 519億円+α(信用保証補償額)
引当財産  798億円(上記②)
引当財産額に一律x60%とすれば、479億円
分配率   92~90%


債権者からの再生計画の提案

債権届出前に、アメリカの破産ビジネスでなされるように、あるいはこれまで我が国でも稀になされたケースがあるように、ヘッジファンドやプライベート・エクイティなど、銀行の保有する債権を半値で買い集める業者と証券会社アレンジャーが表れ、再生計画に決議に十分な議決権額を握り、債権者集会を牛耳って、みずからの再生計画案を通すプリパッケージ・プランにもっていくこともありえるだろう。債権がいくらかによって、関心を引くだろう。提案には、株式取得や引き受け募集などを置くかもしれない。
その場合には、トラブルなく再生をすすめるため、債務者不安と社会不安を避けるため、届けられた不当利得返還請求には満額応じるだろうが、届出がなされない請求権については、切り捨てる方針をだすであろう。さもなくは、収益見込みが立たないからだ。あるいは金利ひきなおし計算を行ったうえの元本残高で再出発するかである。いずれが採られるかは、債権の買取価格如何によって、戦略は柔軟になる。
クレディアは手続き開始決定で、金利を18%に下げると発表した。債権届出をしなければ切り捨てられるだけでなく、開始決定時かろうじて債務が残っていた借り手もその後18%金利を払えば、過払いが発生する。過払いの認識なく非債弁済した善意の債務者を、切捨てられるかは、再生法の法理の運用では、救済の余地がないだろう。
したがって、「無法者」があらわれたとき、法の正義をもって、切捨てご免か。


不当利得返還請求権と再生計画案の議決権ほか

再生計画案の承認決議は、少額債券者保護の原則を取り込んだため、頭数が再生計画案を生かすか、否決するかの決定権を持つこととなる。再生手続き申立の時点で、確定した不当利得返還請求権が数ヶ月にわたって未払いになっていたり、数ヶ月の分割弁済約定されていて未済の場合もあって、現状の過払い実務から、このクラスの会社であれば、1000件を超える請求権が残っていることは珍しくないだろう。再生債権には、銀行の債権譲渡登記未了の担保ローン及び無担保貸付金、証券化受託者(手続き申立以降弁済禁止の保全期間中の証券化信託への引渡しのなされていない信託財産に生じた回収金の交付請求権)、信用保証の解除に伴う委託手数料の返還請求、信用保証にしたがう代位弁済請求、その他事務所維持のために必要なさまざまな契約から生じる債務など。
信用保証件数がどのくらいになるか分からないが、不当利得返還請求権は数では圧倒することになるので、再生計画案決議には、反対されたら大きな障害要因とになりうる。過半の承認が得られず、破産手続きに移行すれば、再生債権者が5割もとれないところ、再生手続きをスムーズに処理して、回収効率を高めたい債権者、特に割安に債権を購入する再生債権購入者にとっては、不当利得返還請求権を100%満額で(ただし5%の付利をしない)買い取ってあげるか、返済を条件づけれるなどして、再生債権から外したいと考えるだろうから、不当利得返還請求権は、共益債権化をしなくても、満たされる可能性が高い。
なお不当利得返還請求権を共益債権としての扱いを求める声が聞かれるが、実体上の権利としての不当利得返還請求権の法的性質を再検討する必要が生じる。そもそも当該債権が他の個別執行では、他の債権に優先するという位置づけでもなく、包括執行になったからといって、担保権にも優先するとする扱いにはバランスを欠く。現実には、再生が目指されれば、議決権数を減少させるために、満額買取あるいは返済される可能性が大きいのではないか。

再生計画の承認決議が得られず、破産に移行した場合、証券化サービシング事務委託契約、取立て権限を留めた担保ローンの取立て委任契約は、解除されることになる。したがって、銀行は、自らで回収する意思がなければ、任意売却をすることになるだろう。
証券化については、破産移行により、バックアップ・サービサーに交代になるが、その時点で、債務者への譲渡通知(貸金業24条2項通知)が送付される。信託銀行は、金利引きなおし計算した元本額でなければ、のちに過払いが発生してしまう訴訟リスクから、また金利引直しし計算機能あるデータベースを引き継がないとすれば、再計算後の金額で請求することになるだろう。受託者は、引きなおし計算するか否かの判断について、証券化の顧問弁護士の意見あるいは助言にしたがうかもしれない。

貸金業法24条2項通知

民法467条は、債権譲渡の対抗要件の方法を定めているから、貸金業法24-2がそれを上書きするに及ばない。したがって本項の目的は、いかなる目的で債権譲渡があっても債務者に通知することで、債務者の法的地位を不安体にすることがないよう配慮した規定ということになる。取立て権限を留めた場合の債権譲渡担保による貸付で、債権譲渡登記がなされている場合や証券化で委託者にサービシング事務を委託する場合に、借り手や信託委託者に倒産手続き開始があった場合には、すみやかに債務者通知をしない限り、債権の帰属が不明となり、債務者は不安な立場におかれることになる。
通常、正常な財務状況では、貸金債権の譲渡者兼取立て受任者は、貸金業法24条2項通知を怠ったとしても、債務者が不安になることはないが、こうした信用事由が発生したときまで、本項適用が任意と解してよかろうか。

知れたる債権者とは

再生法は、再生債務者は、知れたる再生債権者に、手続き開始があったことを通知しなければならないが(関連として法j34、35-3)、再生債務者に知れたる債権者に、不当利得返還請求権者が含まれるかどうかの解釈は、立法意思を確認する必要があろう。
そもそも借り手は自分の無知あるいは不知から、非債弁済があったことを認識にしていないし、認識できる立場にない。借り手は、当該請求権の存在確認をしてみないと分からないゆえ、取引履歴を求めることになる。再生債務者は、金利ひきなおし計算すれば、過払いが出ている不当利得返還請求権者を認識できるのであり、それが知れたるに含まれるのか、債権届け出前の争点となるだろう。


データベース確認

取引履歴から、金利引きなおし計算をおこなうにあたり、現在のホストのデータベースで可能か、プログラム照合をどうするか、再生債務者は、担保権者の求めに応じて、債権者がのメソッドを示される必要がある。債権者は、正確性を担保できないと考え、別除権の金額(再生債権となる不足額)について合意にいたらないとき、監督委員にシステム監査証明を求めることになるだろう。
通常勘定系のデータベースは、取引履歴情報については、個々の返済金額、貸付金額とその日時を取引マスター情報にもっているが、取引直後の債権残高については取引情報に保管される場合と、残高はたえず変動するものゆえ、取引と同時に同期をとって、ミラーして口座マスター情報に自動保管される構造をとることが多いとされる。そのときどきの適用金利、延滞損害金金利、前回取引日と約定返済日などの金利引きなおし計算に必要な情報や、利息不足金額、延滞日数情報は、口座情報に保管される。延滞口座は、取引情報だけであれば、取引がないので、延滞日数を表示させることがなく、前回取引日と約定返済日から口座情報で、延滞日数を計算し、延滞期間に損害金の金利を適用する。適用金利をインプット項目にして、貸付時にさかのぼり引きなおし金利を入力して、その時点の残高から現在の金がkうを再計算することになる。
ホストのデータベースでは、すべての取引情報を口座ごとに追跡する機能はあるが、通常、今日現在の状況の(現時点で締めたときの)口座情報のスナップショットをとることができるにすぎない。したがって、口座情報をどのくらいの頻度でもっているか、たとえば週1あるいは月1の口座情報をつなぎ合わせ、集計がとれるようにするプログラムが必要となる。
さまざまな理由で、口座情報のつなぎ合わせシステムが困難な場合、サーバーにデータを落とし、オラクルなどでSQLを書く方法があるが、それほどの作業量にはなるとはおもえない。
サンプルデータをつかって、システム職員のプログラムが正しい検証を行う必要がある。プログラム自体は、1~数人日でできるだろうし、出来上がれば、履歴10年の数十万口座について、数時間で再計算できるだろう。

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