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日本振興銀行への債権譲受後、譲受人である日本振興銀行が借り手に譲渡された既存の債務の借換のためのローンを供与し、譲受債権を金利引き直し前の残高で消滅させて発生する過払い金をめぐる問題

SFCGから振興銀行に貸金債権が譲渡された。
譲渡された債権の債務者が、譲受銀行からの勧誘で、超過金利の元本充当による引き直し計算前の残高の借換ローンを得たとする。

銀行のインセンティブは、貸付債権を自行のローンに変えることで、引き直し前の債権額を確定することができることにある。銀行ローンは引き直し計算請求される対象ではない。

自行のローンによる借換は、銀行に譲渡されたローンの返済原資となる。すなわち、銀行は、自らが購入した貸金債権を完済させるために貸しつけ、金利ひきなおしリスクを無くし、そしてSFCGに払った譲渡代金を回収することができる。割引価格での譲渡であれば、利益を確定できる。既存ローンの返済は、引き直し前の金額となる。
しかしそれだと重大な事業上の危険を発生させてしまった。

疑問点  
①バランスシート上、購入した貸金債権は完済により消滅し、新たに同じ債務者向けローンが認識される。貸金債権譲渡を割り引いて購入していたとき、たとえば5割引きで購入していれば、バランスシート上、引き直し前の貸金債権残高x50%が引当金として計上されていただろう。これはどこに行くか。繰り戻され利益となるのか、債権が消滅したというのに、そのまま引当金として認識されたままが許されるか。

侵した危険
②引き直し前金額について、債権が完済されたわけだから、銀行は、確定的に過払い金を収受した。銀行が、債務者の損害発生を招きつつ、原因のない不当利得を収受した事実は明らかである。ここで過払い金債権者の銀行に対する不当利得返還請求権が成立する。銀行は、借り手が自らの意思で借り入れ、それを使って自由な意思で返済したのであって、任意弁済(債務確認行為)があったとの主張は認められないだろう。
借換ローンの金額は確定され、将来にわたり減額請求の恐れはないが、譲り受けた債権について、完済があったことで、過払い金返還債務を負うことになる。

ここで①の問題が出てくる。ローン金額を確定することで、引当金を利益認識してしまったあとで、過払い金請求を受けたとき、損失を埋め合わせる引当金がなくなる。そこで、完済した債権と同様に、そのための引当金をつむ必要があるだろう。

複数発生する過払い債権
さらに、ここで、ひとつの債権から、債権譲渡の結果、過払い金返還請求権が利得した当事者により、複数生じることがわかる。譲渡前にすでに、過払い金が発生していた場合に、後日、計算の上、過払い金債権者は、SFCGが収受していた不当利得金については、SFCGに請求することになる。
完済により、みなし弁済無効が遡及的に効果を生じるので、振興銀行が不当利得した金額から、SFCGが上と前にすでに受領していた金額を控除した金額を、振興に請求できることになる。
債権譲渡により、便宜上、不当利得を共同行為とみなし、連帯債務を請求することが許されるのであれば、銀行だけに全額の過払い金を請求し、その後の問題は、もうひとりの過払い債務者である債権譲渡者SFCGとの内部求償とされることができるか。
それが認められれば、過払い債権者は、SFCG破産で一般債権者として届け出て、分配を待つ必要がない。全額を銀行に請求できる。そして銀行が、結果的に、過払い債権者に代わって、一般債権者として、届け出て、分配されることになる。
実際に、SFCGが破産により手続きを終了してしまった場合、SFCGに請求可能な過払い金は消滅してしまうのか。
借り手にとって、過払い金が2本に分かれたのは、債権譲渡の結果であり、自分に帰責があるわけではない。譲渡債権の完済は、譲受人が引き直し前の債権額を確定したいがため、譲受人の借換ローンによりもたらされた結果である。引き直し義務の恐れのある債権を譲り受けたものとして、借り手に対する責任として、過払い債権者に対して、過払い債権の一本化は正当化できるか。
共同責任の賠償請求としないで、過払い金として銀行にだけ請求するために、どのような法理適用がありうるだろうか。過払い債権が債権譲渡と共に譲受人に移転していると構成できなければ、過払い金は別々に発生してしまう。

③もしSFCGからの譲受が、2重譲渡であれば、さらに問題が大きい。ローンは確定される一方で、振興銀行の貸した金で、SFCGからの譲受債権は消滅した。しかし真の債権者が信託銀行であったら、信託銀行の債権が振興銀行のローンで消滅されたことになる。
振興銀行は債務消滅直後までの譲受期間中に受領しつづけた回収金については、真の債権者に不当利得として引き渡す義務が生じる。借換によって得た資金で完済された弁済金を含めて、信託に移転されることになる。そして、信託が不当利得を食んだことが明らかになる。
しかしそれを仕組んだ結果になったのは、振興銀行のローンであり、振興が債権を消滅する目的で貸した行為があって、信託に損害が発生したことになるから、賠償責任を問われる恐れもある。

④担保権の抹消
振興銀行は、債権譲渡について、担保権や保証が譲渡に随伴ていないような説明がなされているという。債権譲渡で、理論上、随伴する権利を譲受人が放棄したとも考えづらいが、実体関係は見えない。
その状況で、引き直し金額前の金額で借換ローンが組まれ、譲渡された債権が借換ローン代金で完済され、消滅する。借り手は担保権の抹消を申し出るが、誰に登記がされているか。
貸付金のうち、7割が信託譲渡されているとして、振興銀行への譲渡が2重譲渡だった場合に、消滅した債権の担保権者の名義が信託銀行となっている場合に、信託銀行は抹消を同意できない。
700億円が2重譲渡されているという情報が確かであれば、権利関係をめぐり振興銀行は信託銀行と争うことになる。登記では時間的に後順位となる振興銀行は、訴訟で決着するまで、借換ローンによる弁済を含め他人の財産からの回収金を引き渡すことはない。そうすると、真の債権者でありながら、法廷で権利が確定されるまで、完済された代金の返還を強制できない信託銀行は、抹消には協力できなくなってしまう。
信託銀行に債権譲渡がなされたが、譲渡時点で信託銀行には移転登記がなされず、SFCGに担保権行使まで留保されている場合に、当該債権に2重の債権譲渡があれば、振興銀行に移転登記することは許されない。このとき、SFCGは他人の利益のために、担保権の名義を有しているにすぎず、債務者からの抹消申し出に対して、応諾する権利はない。

ここで明らかなのは、2重譲渡の後順位だからこそ、債権譲渡では、担保権が随伴できない。後順位の譲受人が債権譲渡により移転登記をしようとすれば、後順位の譲受人は、先順位の登記を(登記留保だろうと)確認しなければならなくなってしまい、既に譲渡があった事実を知ることになる。だから登記をそのままにして、債権譲渡したということか。
その上、証券化では債務者通知を送付しないので、信託銀行が訴により権利確認をしな限り、振興銀行は債務者との関係を排他的に独占できる。
他方、真の債権者でなかろうと譲渡通知がなされている以上、債務者の弁済は有効であり、債務者免責される。債権譲渡は、債務者の権利関係まで害することが認められるわけではない。
信託銀行は、2重譲渡があった債権については、振興が債務者対抗要件を具備し、直接回収をしている以上、弁済を受けられていない。
債務者は、担保権抹消しようとしたとき、信託銀行から譲渡請求を受けることになり、そこで2重譲渡が判明し、振興銀行と争うのか。

なぜ振興銀行は、担保権の移転登記をしなかったのだろうか。なぜ担保権者の地位を放棄するような説明をしていたのだろうか。
2重譲渡の事実を知っていれば、担保権が移転登記できない理由の説明はつく。すでに他人に登記されていることを知ってしまえば、債権譲渡じたいができなくなってしまう。担保権の状態の調査義務を怠ったのはのは、故意であり、その事実から詐欺譲渡の共謀や加担があったと推定されることにはならないか。
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