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 Fannie Mae FNMAの保証って何?
金融機関でないひとのために

Fannie Mae, Freddie Macの債務は、MBSを含め、USAの暗黙の保証がつくといわれ、一般に、implicitly guaranteed といわれる。expressly guaranteedと表現されれば、分かりやすい。明白に保証されるの意味だから、契約上の義務であり、強制力・訴求力(裁判に訴えて強制できる)があると解することができる。通常人の頭で、ふつうに考えれば、その明白な保証文言がないのが、黙示の保証と思い込んでしまう。しかし、この暗黙の保証は、明白な保証explicit guaranteeの単純な反対解釈では理解し得ないものだ。

社債契約において、アメリカ政府は、その債務を保証することもなければ、アメリカ政府の債務でもないという。FNMAだけが支払い責任を負っていいる債務というのだ。アメリカのliability(債務)でもなく、支払いはresponsible(責務)でもない。アメリカは、保証をexplicit disavowals 明白に責任と債務を否定している。それが暗黙の保証であると説明されると、真実は何なのか。裏に隠れた保証があるのだろうか。
もはやこうなると、GSEが支払い不能か保全手続きに入れられたら、US政府よ、契約なんてどうでもいいこと、私には、心ある対応をしてくれと叫びたくもなる。心とはなんとも意味深い言葉か。


そこで、証券投資の原典に立ち返り、FNMAのMBS発行目論見書には、いったいどのように記載されているのかみてみよう。

目論見書記載事項を、心ある投資家は、どのように理解して読んだいるだろうか。金融機関におられ、さらにFNMA債にコメントされるほどであれば、当然に知っておられることは、当然に推定される。そして保証が道理的にどう当然と求められるか。
 
証券発行者は、証券法の定めに従い、免除会社を除いて、SECに有価証券届出し、その一部となる発行目論見書を投資家に配布しなければなりません。投資家はその発行目論見書の情報に依拠して投資決定をします。通常、証券業者は、発行目論見書ではない情報を証券の販売に利用することは許されません。したがって目論見書は、投資注文前に投資家に送付されなければなりません。発行者の用いる届出以外の投資勧誘に結びつく情報は、目論見書の一部を構成すると(裁判上)判断されるかもしれません。

証券業者が独自に作成し使用した情報が発行目論見書を構成するかは、開示責任主体でないので、目論見書にあたらないとすれば、規制上使用には認可がいるでしょうか。証券化では、証券会社は、prepayment rate, default rateに応じたamortization factor表などのcomputation materialsを用いることは33証券法の募集についての改正で認められています。supplementary informationを構成するでしょうか。
 
投資家は投資判断するにあたり、目論見書に依拠するので、記載事項について、発行者は、重大な点において正確であり、記載漏れがなく、虚偽表示がないことを表明・保証し、表示責任が発生します。作成者には、詐欺的、虚偽表示、不正表示責任が生じる。社債や証券化では、発行目論見書には格付けの信用記号の記載が含まれますが、格付け機関は、発行者の情報を作成し提供する開示側にはなりませんので、開示責任にはあたりません。

目論見書には、発行者の輝かしい将来の利益予想だけでは誤解を与えますから、リスク・ファクター(財務の不安定リスク材料)を開示することが証券法関係ルールで定められます。購入した投資家はrisk factorsを読んだことが推定されます。プロであれば、当然に読んだことは推定され、裁判で読まなかったという抗弁は退けられます。
 
以下URLにFNMAの戸建MBSの目論見書があります。MBSの保証について説明しているのが25頁にあり、リスクファクターは10頁からですが、それより、表紙の囲みとその前のゴチックを読んでみてください。注意を喚起しています。
これが暗黙の保証の意味でしょうか。
http://www.efanniemae.com/syndicated/documents/mbs/mbspros/SF_April_1_2008.pdf
 
FNMA保証に関して、FNMAは、MBS信託財産が受領する金銭に対して、元利金の約定通りの支払いに必要な金額を補充的に保証する。FNMAだけが、その保証にもとづく支払い責任を負うものであり、MBSの元利金支払いは、USによって保証されませんし、MBSは、FNMA以外のUSあるいはそのいかなる政府機関の債務を構成するものではありません。(太字は原文ゴチック箇所を示す。)
 
囲み
リスク・ファクターの項目については、慎重に考慮されるべし。もしあなたがこれらのリスクについて、理解できなかったり、及び許容できなければ、本件証券に投資をされるべきではない。
 
心あると主張される金融機関は、皆これを読んで投資しています。表紙さえも、読んでいないという抗弁は、認められない。だから皆これを知っていることが推定される。金融機関の暗黙の保証は、その上での発言になる。
 
 
FNMAは、直接MBS保有者に対して保証するのではなく、信託契約にもとづき、証券化のためのMBSの信託財産に対して、約定支払いを可能にする金額の補充的保証していますが、FNMAの保証はそれだけです。したがって、投資家は信託財産に対して直接権利を有しますが、(請求権行使は特定信託の25%超の持分投資家に限られる)FNMAに対して、直接に保証を強制するために、訴訟を提起する権限がありません。
FNMAは、信託財産の支払いを保証するが、FNMAが支払いする能力がない場合あるいは怠った場合、投資家の受領する元利金支払いは、借り手の遅滞払いや支払いできない結果として、その分の金額が減少する。
 
FNMAは信託契約に基づき、特定の事由が生じた場合に、モーゲージを買い戻す義務を負う。
   (a)24ヶ月間連続して、各支払日に、必要なモーゲージ元利金支払い全額がなされなかったとき(延滞のサービシング方針にしたがって延長されるような場合)、
   (b)モーゲージ保険会社/保証会社が(信託契約で認められる期間を超えて)損失緩和救済策の行使の延期をFNMAに求める場合、
   (c)モーゲージ保険会社/保証会社が求償権の行使に関連してモーゲージ・ローンの移転を要請するとき、
   (d)裁判所が買い取りを指図するとき、
   (e)借り手がモーゲージ・ノート上認められるアクション(調整金利型から固定金利に転換する)をとき、
そうした事由が発生すれば、強制買取となり、信託契約上、FNMAの義務となる。買取金が信託に入り、証券はその分、期限前に償還される。
 
結果的に保証と同視できるテクニカルな方法として、信託財産のモーゲージが4ヶ月以上長期延滞した場合には、FNMが債務不履行債権を全額または一部を買い取るという方法でなされますが、FNMAにとっての義務ではなくFNMAのとりうる選択肢のひとつです。モーゲージ・ノート、モーゲージ・ディード、モーゲージの定めに従い、債務者が元利金支払いとは異なる重大な債務不履行に陥り、債務不履行が60日連続して続いた時には、FNMAはプールから買い取り、除外するかもしれない。
 
またFNMAは、売主及び対象モーゲージに関するrepresentations and warranties違反があれば、売主による買取の結果、モーゲージ・プールから、違反となるモーゲージの全部または一部を取り除く。(売主の倒産、保全手続き下になったとき、そうした違反貸付や不適正資産について、FNMAに買取義務が発生するかどうかについては記載がないので、FNMAの任意に委ねられるか。)
また破産裁判所が、債務者のモーゲージ・ノートの重要な条件、金利や元本減免など変更した場合にも、信託契約にしたがい、FNMAには買取選択権があるが、義務ではない。
売主が倒産あるいは保全手続きに入ったとき、証券への弁済が禁止された場合には、FNMAはMBS投資家に必要な支払いをするだろう。(確約ではない。状況によってそうする。)
FNMAに信託契約に定めるいかなる債務不履行事由(支払い不能や保全管理人の任命、信託上の重大な義務の不履行、保証支払いの不履行が発生し、15日以上の支払いのない状態が続く)が発生しても、関係するMBSの51%超の持分権を保有する投資家は、信託契約にもとづき発行される証券のための受託者及びサービサーとしての義務と権利いっさいを終了する権利を有する。ただしそうした場合にも、FNMAの保証は効力を失わない。
 
MBSは、信託契約にもどづき、信託により保有されるモーゲージ・ローン・プールに対する不可分共有受益持分を表象する。モーゲージ・ローンは同一の発行のすべての投資家の利益のために、信託契約にもどづき、受託者の資格で、保有される。
FNMAが、MBS信託契約の受託者となり、信託契約に従い、MBSを発行する。
 
誤解を恐れず、平たく言えば、モーゲージ貸付金融機関が、特定モーゲージ・プールを、信託目的でFNMAに移転し、FNMAは受託者として、信託契約にもとづきMBSを投資家に発行し、信託財産での約定支払いが足りなくなったときには、信託財産にそれを補充して元利金保証します。
FNMAは、MBSの発行者であり、受託者でもあり、保証人でもある。
 
未だにわかりません。投資家が、表紙を読むのは必須であり、アメリカ政府がFNMAのMBSを保証しないし、アメリカの債務でないことは明白にしてある。これは誰もが知っている。さらに、投資家は信託財産に対する受益権という権利を表象した証券を有しており、信託財産に対して請求することはできても、FNMAに対して直接請求できない。
それでも、心を示せというのでしょうか。FNMAに対する法律上保護された請求権を持たず、裁判してもとれないから。


心ある金融機関は、誰かに保証があると騙されたと怒っているのでしょうか。
もし投資家が、証券の投資決定において、販売する証券会社から、保証があるからだいじょうぶという説明を受け、それを信じて購入を決定したとしましょう。発行者から直接売買契約で購入するのではなく、証券会社から購入するので、売買契約の相手方は証券会社となる。
証券会社の口頭の説明では、証券会社の勧誘に虚偽説明があったことを証明できません。もし明らかに、証券会社がdeceptive instrumentを用いて、目論見書の一部と誤解させて、保証だから安心だと説明し、それを信じて投資決定した場合にどうなるか。表紙にまで、USが保証していないし、USの債務でもないと記載されているから、証券会社が発行目論見書以外を利用して、自社作成のリサーチ・レポートを投資勧誘に違法に用いたとしても、証券会社は、目論見書の表紙の太字を見せて、投資家は、特に金融機関であれば、読んでいるとみなされるので、判断を誤るようなことはないでしょうという攻撃で、申立は却下になるでしょう。
アメリカの証券会社の職員は保証されるといっているって、厭債害債ブログさんで、書かれていたような。証券の勧誘に関連して、コメントされているとすれば、目論見書から明々白白なことさえも、投資判断できない投資家には、誤解をあたえるのかもしれない。しかし、投資勧誘して手数料もらおうという動機があるだけで、scienter騙そうとする欺罔な意図が証券会社にあるわけでもなく、その証明もできないだろう。しかし大量に売りポジションをもっていたり、値下がりが起こりえる事実を知っていながら、損失を小さくするために、保証されているようなものと説明している場合であれば、状況が違う。仮にそういう事実が会社としてあることが証明されっても、職員が知る立場にないことが証明されれば、訴答の時点で、競合する反対の事実と同じくらいに説得力がある程度でない限り、申立ては却下されるだろう。
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