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日本振興銀行のSFCGからの債権譲渡の意図と重複譲渡債権の権利者の確定

3月25日、日本振興銀行は、SFCGから買い取っていた貸出債権に関し、1カ月余り広範かつ詳細な調査を行ったが、ただの1件も二重譲渡の事実は確認されなかったとの調査結果を明らかにした。二重譲渡疑惑に関しては、朝日新聞が3月23日に朝刊一面で報じている。それによれば、信託銀行などに約500億円二重譲渡している可能性があるという。一方、日本振興がSFCGから購入した貸出債権残高は約1025億円。日本振興の主張が事実なら、朝日の報道は誤報となり、日本振興の信用をも大きく棄損することになるはずだが....

世間に通用しない自分だけの子供騙しの法の理屈は、通りません。
それでは裏にはどういう意図があるのかとうがってしまう。

SFCGの保全管理人(破産手続きでは管財人)は2重譲渡があることを認めています。 相手は、信託銀行です。銀行は一件もない。これはどういう状況でしょうか。

ローン債権の権利関係は、①対外的な権利関係と②対内的権利関係、そして③借り手に対する関係があります。対内的関係とは、譲渡者と譲受人の権利義務関係、誰が権利者であるかをいいます。譲渡債権の実体の権利確定は、当事者の契約にしたがいます。
対外的関係は、対世的な意味で、SFCGの債権者や取引の第三者に対する権利関係で誰に権利が帰属し、債権の効力を主張できるかということで、ここにSFCGの管財人も含まれます。
借り手との関係とは、借り手に対して権利主張し、請求するための権利をいいます。
対外的関係は、債権譲渡の登記か債務者への確定日ある通知のいずれかの時間的先順位でもって確定されるます。借り手に権利主張し、借り手の異議に対して対抗するだけであれば、確定日付のない譲渡通知をすれば、足ります。
さらに借り手に対抗(有効な請求という意味)しようとすれば、譲渡通知を、権利を取得する譲受人が送付するのではなく、譲渡人SFCGが送付しなければ、効力を通知の生じない。権利を得たといって、偽装、詐欺通知の怖れがあるからです。また債権譲渡を第三者に対抗するためには、確定日ある譲渡通知(内容証明郵便)を、譲受人ではなく、譲渡人SFCGが借り手に送付しなければならない。

これが民法の基本的教科書理解です。
振興銀行は、銀行の開示説明から、借り手に対して調査し、新興以外には通知が着いているかを確認したにすぎません。しかし権利確定は、譲渡登記で決まるのもです。SFCGには2000年以前から、信託譲渡を大規模にしており、08年10月末の有価証券届出で4200億円の証券化譲渡があることがわかり、したがって金融のプロである振興銀行もその程度も調査しており、当然の知っているとする推論が働きます。しかも証券化の2重譲渡の有無監査は、証券化の資金調達のための債権譲渡直後及びその後は四半期ごとに、監査法人によってなされます。数千億円となっていますから、仮に10本の証券化があれば、年40回の監査を受けていることになりますから、定期的かつ頻繁に調査がありますから。、すぐに2重譲渡が発見され、指摘されます。治癒しない限り、契約義務違反、その部分の譲渡無効、2重譲渡の規模が大きければ、取引が債務不履行となり、全額償還を強制させられます。したがって、証券化信託銀行の登記の先順位は、確定的で落ち度がないといえます。
もう一点の証券化譲渡の特徴は、借り手に対して譲渡通知をださないで、回収は、譲受けた信託銀行がSFCGに専管委託するというもので、回収金は、毎月末、全部の口座の取引報告書とともに、送金されます。借り手は、譲渡があったことを知らずに、取引をしていますが、これは権利関係③の債権の譲渡を受け帰属ある真の債権者は、借り手に対して、対抗できないにすぎず、②の当事者の権利関係は移っており、①の対外的権利関係も登記で確定されている法定関係をいいます。 

新興銀行は、そういった事情を知りつつ、登記の順位ではなく、借り手の認識をもって権利を確定しようとしたという向こう見ずな不注意を侵したか故意によるものといえます。しかも公衆の面前で法の無知をさらけだしたのか、意図的かは知りませんが、権利についての法を知らずして、銀行を運営していると推論されてしまいます。

 すでに説明したように、権利確定には、相手と対抗するには、3種類のあり方がある。ひとつの方法を調査しただけで、自らが権利者だと裁判所も認めてくれません。
しかも譲渡通知は、SFCGが出したものであるかどうか、どこにも報道されていません。ただこれは容易にできます。振興銀行が印刷屋さんに、SFCGの社名のはいった、通常使われている封筒を印刷させ、譲渡通知を出せば、借り手からは区別がつきません。誤認識が生まれる手口となります。
また通常使われる方法は、はがきを利用し、連名で共同して通知を打つ方法があります。譲受人が勝手に印刷することができます。これだと、確定日付がありませんので、借り手に対してのみ有効な通知であっても、譲渡を第三者には対抗できません。
それでは借り手がSFCGが送付した確定日ある内容証明郵便を受け取っているかどうか。これもSFCGの実印なく、E-ネット郵便サービスですることができてしまいます。費用は誰の負担でもいい。そうすると、振興銀行は、この方法によって、通知した場合があるかもしれません。費用がかかるからしないとおもいますが。
となれば、はがきであれば、権利者では全くありません。

振興銀行の立場から攻撃防御すれば、以下となる。
債権の2重譲渡はなせ起こる。
どちらが真正な譲渡と認められるか。

債権の対外的効力を確定するためには、登記か確定日ある債務者への通知が法の定めた確認手段となる。
振興銀行の譲渡については、債務者に対する確定日のない譲渡通知をSFCGが債務者に出している。だから直接回収しているのはすでに説明したとおり。
登記の先順位で確定されるといっても、先順位の債権者とSFCGとの権利移転の有効な実体関係を先順位の債権者が契約で証明できなければ、先順位の登記は、実体権の裏づけのない登記となり、無効を確認されることもありえる。通常、譲渡契約の原因は売買契約あるいは担保契約となるが、合理的相当価格を欠いている場合、詐害的目的などであれば、無効となりうる。
振興銀行としては、重なって譲渡された登記された債権の譲渡が正当なものか、当事者でないので契約内容を知らず、現時点では判断できないと主張するのは尤もだ。
新興側として、先順位の譲渡を疑念をもってとらえる理由は、振興銀行とSFCGとの債権譲渡契約が現に存在し、すでに効力を生じていること、それを明かす証拠として、
a. 相当な売買代金を支払い、
b. 権利移転を受けるため、SFCGが譲渡通知を債務者に送付し、債務者に対抗できる利益状況であること、
c. 振興銀行がローン契約の原本の引渡しをSFCGからうけていること、
の法外観から、どうみても自分が権利者であることを主張する。
そもそも、重複債権者がいるとしても、どうして回収に必要となる権利者の証明のローン契約が新興の手元にあるのか。競合相手は、債務者に通知もしていないし、ローン契約を保有していないし、回収もできない状況にいる。そうした事実状況から、自分こそが債権者だとかんがえると、確認訴訟で争うだろう。
先順位の登記こそが、信じられないなんらかの共謀の可能性があると。
こうした主張をされたら、どう防御するのか。

そもそも証券化は、ローン契約原本を譲受人に引き渡さない。回収については、SFCGに委託するから、その必要もない。ここに、重複譲渡が起こりえる背景がある。登記にしても、登記時点で、2重譲渡登記を防止するシステムではないから、重複譲渡は日常茶飯で容易に起こりえる。実際に、金融実務では、毎月担保の中身を月末付けで洗い替えることは日常的な慣行で、抹消忘れなどもありえる。証券化で、過払い金で譲渡人に戻した債権の登記抹消をしていないケースもある。だから実体上は、戻し譲渡が効力を生じたのに、重複登記がなされることも多い。
そうすると、新興銀行としては、登記を信じない、先順位の実体上の権利関係は知らないとなれば、自分がそこに権利を証明するローン契約を持っている自分が強いと感じるだろう。(注意すればわかることであれば、過失がある認識と考えるが。しかし実体上の権利の得喪は当事者しか見えない。だから信じる他がないのだと主張する。)
これが言い分で、誰が重複譲渡jの正当な所持人か問われても、確認訴訟が確定されるまでは、不確定に置かれることになる。新興が争いをやめて譲歩して、自分の劣位性を認めない限り。
さて、債権は(重複だろうが)新興に譲渡され、通知も打たれ、債務者は振興が(SFCGから借り入れたローンの)新たな債権者だと過失なく認識しており、(真の債権者が誰だろうと)新興にさえ返済すれば、法律上それで免責される状況にあることを認識している。
そこで振興銀行は、SFCGからの借入金の返済という債務を消滅させるため、借り手に対して、自分がローンを出したとしよう。SFCGから借入れしているより、銀行からのほうがいいでしょうとか、金利は15%にしてあげますと誘って、返済に必要な資金を借入れさせ、そして譲渡された債権を弁済して消滅させる。ここで、返済金を受領するのは、そのための金を貸した振興銀行となるが、SFCGからの借入れの債務は消え、振興銀行からの借入れだけが残る。
新興銀行は譲渡債権に対して、債務者に対して対抗できるから、こうした工作が可能である。債権の地位の譲渡と同じ結果が得られることになる。地位の譲渡とは、元貸し手であるSFCGの地位に銀行がなることで、この場合には、債権自体は承継され、消滅せずに、貸し手が入れ替わる。借換ローンを出す場合は、新たなローンとなり、前の借入れの権利関係が債務者との関係で消滅してしまう。

さて、2重譲渡を争うSFCG管財人は、債権譲渡の無効を主張しようとしたら、債権が消滅してしまったという事態に直面することになる。債務者はすでに支払いを完了し、SFCGの債権が存在しないのだから、債務者から何も得られない。それ以前に債務者は振興銀行にさえ、返済していれば免責されたわけだから、振興銀行に対して、無効の確認が認められたら、不当利得返還請求しかできなくなってしまう結果となる。いずれの場合も。
皮肉という問題ではかたずかない債権譲渡の本質的欠陥がでたにすぎない。新聞がそれだけのことを理解して書かなければならないが、金融機関や法律家でない以上、誤報道となっても仕方がない程度の問題だろうか。
また現時点で、振興銀行の譲渡の正当性を争っている以上、無効と判断することはできない。振興銀行は、契約上の信義誠実条項にしたがい、あるいは表明保証条項に従い、2重譲渡がないという契約文言を信じたと主張し、信じたことに過失はないと主張するだろう。過失の相当性の議論となれば、登記を調べなかった不注意の責めを新興銀行が負うとするか、債権譲渡の登記の制度など、実体をはんえいしないことがあり、信頼できぬ点を主張し、契約上の誠実をとったといったとき、過失による有責を追求できるか。

振興銀行はなぜSFCGから2重譲渡を分かっていながらも、債権を譲り受けたのか。
振興銀行は、SFCGから債権譲渡により譲り受けたのち、借り手に対して、金利引き直し計算しない残高をそのまま借りかえるためのローンを懸命に勧誘しているという。
SFCGのローンの譲渡時の残高は、銀行借り換えローンを借りたところで、貸し手の違う新たな契約により、銀行からの借入れ金額として確定されてしまう。
借り換えローンにより、
銀行に譲渡されたSFCGが貸し手の借り手に対する債権は消滅する。と同時に、引き直し前の残高を全額支払うことで、債権が消滅する一方、過払い金を発生させる必然的結果となり、債務者はこれにより、過払い債権者となる。
過払い金を利得したのは振興銀行であり、その直接事実がある以上、不当利得の返還の訴えは譲受人に対してとなる。実際に誰が過払い金を収受したのが、譲渡前にSFCGが一部の超過金を受領しているかどうか、それが譲渡時に売買代価で考慮されて価格が決定されたかは、借り手には関係のない問題であり、譲渡契約の内部の求償関係として処理されるべきであろう。一部の過払い金がSFCGに対して、残りが譲受人に対して請求するというように、譲渡の結果、ふたりに過払い債務が分断されるのは、当事者の問題であって、借り手の問題ではない。そもそも 譲渡が当事者間で、金利引き直しされて代価が決まっておれば、借り手はそうした問題には影響をうけないだろう。

銀行の狙いは、借り換えさせてしまい、自身のローン資産として効力を生じさせることにある。
銀行が借換により、SFCGの譲渡債権を完済させてしまい過払い金が発生したときに、自らが債権を消滅させる行為をしたうえで、過払い金を発生させておき、債務引受がなかったから、契約解除して戻しますと主張することはあるか。その場合には原状に復帰することになるので、完済された回収金は振興銀行の不当利得により、SFCGに返還される義務を負うことになる。その資金をだしたのが、銀行ということになり、振興銀行は、戻し譲渡の売買代価の同時履行で受領できない金銭について、一般債権として破産届出することになる。


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