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雑記帳
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SFCGの債権譲渡、過払い債権、信託譲渡、証券化のもつれた関係の解明と責任負担

振興銀行は債権譲渡で、貸金業法24条が求める譲受人の債務者通知をしており、譲渡時に金利も利息制限法適用範囲の15%に下げたという
それに対して信託譲渡を受けた証券化の受託銀行は、貸金業法の適用のある貸金債権を譲り受けながら、貸金業法24条が求める借り手への直ちにすべき譲渡通知を故意に怠ってきた。そして債務者との関係を譲渡前通りのままにするため、信託契約により譲渡者に回収事務を委託をして、借り手には譲渡がないような外観を装い続けた。
その理由はどこにあるだろうか。なぜ貸金業法は、グレーゾーン金利請求と受領を容認する貸金債権について譲受人に譲渡通知の送付を義務付けたのかの立法意思を考えて見る必要がある。

譲渡通知を出してしまえば、債務者は譲渡があり、債権者が金融機関であることを知る。金融機関は、貸金業法を適用による有効なみなし弁済を求めるよりも、利息制限法を超える金利を請求して、利息制限法に正面から反することに躊躇する。実際に、振興銀行が譲渡後の金利を下げたのは、そういう理由からだろうと憶測される。
経済的受益者にとって重要なのは、利得の幅であり、債務者対抗ができるかという問題ではない。債権の権利関係は、譲渡者倒産手続きでの管財人や譲渡者の債権者を含む第三者に対する優先的な対外的効力さえ確定できればよい。対外的な権利の主体、帰属の変更は、譲渡登記だけで完了する。  
譲渡により金利を利息制限法の範囲に下げるよりも、27%の回収金がそのまま回収され、回収期間中(通常は隔週とか一月間)の全口座の取引の履歴を含む譲渡債権の回収報告書と共に、回収額全額が送金されることを望む。
譲渡通知の故意による不通知と回収事務委託は、それを可能にし、債権譲渡により債権者になりながら、グレーゾーン金利を継続してとり続けられることに最大のインセンティブがある。
こうして27%そのままの違法に経済的利益を収受した。譲渡者の譲渡通知についていえば、領収書に記せば容易にできることから、なぜ法違反を続けていたかは、それ以外に理由は考えられようがない。

したがって、故意に貸金業法義務違反を続け、信託は不当に利得し続けたのである。
そして過払い債権が発生したら、信託を一部解約し、遡及効を伴わずに、それまで得た不当な利得を返還することなく、譲渡者に抜け殻だけ戻して責任を負わせている。その点で契約の解除とは大きな違いが生じる。その結果、SFCGにあっては、過払い金は2000年前後から信託が取り続け、SFCGに過払金債務を戻して、不当利得を返還することもしなかった。受領した不当利得は、毎月の信託決算で、毎月投資家に分配してしまい、信託には受領した利得は残っていない。もはや受益者に配当した利益は取り戻せないという。
他方、信託受託者は信託財産の2割程度にあたる劣後受益権を譲渡者であるSFCGが保有していたから、劣後受益権の配当で過払い金債権相当額を実質的に返還していたというかもしれない。しかしながら、戻される債権の超過金利の元本充当の引き直し前の残高は、劣後配当からネッティング(控除されて)配当額が決定され、譲渡者からの利益移転が計られている。すなわち劣後配当には、過払債権が不当に利得してきた金額の返金が含まれていない。
また信託財産は、超過金利支払いの元本充当引き直しや過払い金の発生で絶えず減少する。必要な信託財産を維持しなければならないので、必要維持額を下回ることのないよう、委託者には別の債権で差し替え義務が生じる。
数字を挙げて説明すれば、信託財産を金利引き直し前の債権残高で1000とし、優先受益権の金額を800、劣後受益権を200とする。信託財産の債権金利を年27%、優先受益権(投資家)の金利を3%、信託事務関連手数料や証券化の手数料などの総額を仮に年1%、過払い金債権(引き直し前残高)を4%、引き直し計算で元本の減少するなどを含む回収不能な債務不履行債権を4%とすると
月の信託財産に生じる金利収入 270÷12=22.5
月の優先受益権配当額     800x3%÷12=2.0
月の信託事務関連手数料    1000x1%÷12=0.833
月の過払い金債権          1000x4%÷12 = 3.333
月の債務不履行債権         1000x4%÷12 = 3.333
劣後配当計算前の月の費用合計    9.5 (=2+0.8333+3.333+3.333)  
劣後配当額                     22.5-9.5 =13   

こうして不当利得の経済的な受益はは信託により収受されており、投資家に分配されており、SFCGが利得を得たわけではない。他方、借り手には未だ通知が出されていない。借り手は誰が真の保有者かも知らされていないから、過払金請求あるいは賠償請求したくても、訴えさえ出せない状況におかれている。

仮にSFCG破産手続きで、過払債権者は、SFCGの一般債権者として債権届出し、SFCGの残った破産財団だけを引き当て原資に限られた配当しか受けられないというのか。SFCGは、長年にわたり、過払い債務だけ負担させられ、不当利得の返金を受けておらず、利得を受けたのが信託であるにもかかわらず追求権を妨げられるとすれば、公平を欠いて扱われる結果となる。そうした計略された権利侵害が意図された結果をもたらす。そうした状況は当初から予見しうる範囲であるが、結果回避行動は受託者により何もとられていなかった。過払い金はSFCGに届け出るとして、過払い金相当額を信託に対して、共同不法行為につき、損害賠償請求を提起することはできるだろう。
SFCG管財人は、もし過払い金請求を信託財産に対して訴求できないというのであれば、受託者に対して、債権者に代わってあるいは利益代表として、返還請求を求めなければならない立場にあり、注意義務を負うのではないかと考える。
グレーゾーン金利と有効なみなし弁済にもとづく貸金債権は、ローン債権とそのなかに超過金利支払いによる元本充当によるローン債権額の減額請求権を内在した債権・債務が混在する性質の債権である。ローン債務者の意思表示により、ローン残高は相殺権の行使により随時ネッティングされる債権であり、相殺額(超過金利支払額)がローン残高を上回るとき、債権はすでに消滅してしまい、さらに過払い金が生じてしまう。結果、ローン債権の債権者は、過払い債務者となり、ローンの借り手は過払い債権者となる。ローンの債務者は、事実上、相殺適状にある相殺権を有しているとアナロジーされるような眠っているだけの形成権を有している。

債権譲渡は制限されていない。しかしこうした債権債務が一体化して分断できない不可分一体の性質の債権では、債権額が不確定であり、債権譲渡する場合には、両当事者はローンの債務者の権利を侵害しないよう金融機関としての最善の注意を要する。債権が消滅しておらず、存在するかの確認行為は、紛争を避けるためにも金融機関であれば必須の注意義務であり、過払い金が発生するような場合には、債権が存在していないのであり、譲渡不能の恐れが高い。譲受人は、債権者がどちらになるかわからないまま譲渡を受けて、コインの表がでたら譲渡が有効とし続け、裏がでたら、解除して戻せばいいというのは、債権者が消滅したローンの元債務者でその譲渡行為がなければ譲渡できないという法構造を利用して、過払債務だけを残したままに負けのないゲームをする場合には、債権譲渡によって、変動を受けて発生した損害については、客観的共同があって、連帯した賠償責任を提起することになるだろう。


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債権譲渡と取引履歴保管義務
現実と合わない建てつけの法律か、法はそれを望んだのか。

信託銀行も振興銀行の債権譲渡時前の取引履歴を自分の事務所内で保管していないという。
これは、債権譲受人も取引履歴を含め帳簿備え付けを求める貸金業法に違反するか。
債権残高確認するには、履歴が必須であり、なければ引き直し後残高が不明であれば、債務者を害してしまうから、当然の法律だろう。

業者の言い訳を考えてみよう。
取引履歴は法律上、保有しておりますが、譲渡者に保管を業務委託しております。また計算事務業務についても譲渡者に委託しています。
確かに取引履歴や帳簿とはコンピューター・テープのこと。
もしこの業務委託が、譲受人の手元をまったく通じず、譲渡者から直接にIBM何がし株式会社に移管され、業務委託されていたら、確かに保持していることになるとされるだろう。
だから、保管義務違反していないというだろう。
立法意思がそうだったら、それで合法的処理だろう。しかし立法意思が、そうした法の潜脱を防ぐ目的で定められたとしたら、法の機能をまことに果たしていない。脱法を合法化してしまう。
何のための法だったか。
それとも、06年12月に法改正がなされ、それに伴い取引履歴保管義務が設けられた時点で、こうした事態は証券化の信託譲渡では起こっていたのだから、明確な対応(合法か、違法か)の基準を明らかにされたと考えるべきだろう。
にもかかわらず、現行法では、法違反を問えないかもしれない。要件事実の評価方法問題であり、立法意思に照らすことになって、やはり法違反が問えない。
日本振興銀行のSFCGからの債権譲渡の意図と重複譲渡債権の権利者の確定

3月25日、日本振興銀行は、SFCGから買い取っていた貸出債権に関し、1カ月余り広範かつ詳細な調査を行ったが、ただの1件も二重譲渡の事実は確認されなかったとの調査結果を明らかにした。二重譲渡疑惑に関しては、朝日新聞が3月23日に朝刊一面で報じている。それによれば、信託銀行などに約500億円二重譲渡している可能性があるという。一方、日本振興がSFCGから購入した貸出債権残高は約1025億円。日本振興の主張が事実なら、朝日の報道は誤報となり、日本振興の信用をも大きく棄損することになるはずだが....

世間に通用しない自分だけの子供騙しの法の理屈は、通りません。
それでは裏にはどういう意図があるのかとうがってしまう。

SFCGの保全管理人(破産手続きでは管財人)は2重譲渡があることを認めています。 相手は、信託銀行です。銀行は一件もない。これはどういう状況でしょうか。

ローン債権の権利関係は、①対外的な権利関係と②対内的権利関係、そして③借り手に対する関係があります。対内的関係とは、譲渡者と譲受人の権利義務関係、誰が権利者であるかをいいます。譲渡債権の実体の権利確定は、当事者の契約にしたがいます。
対外的関係は、対世的な意味で、SFCGの債権者や取引の第三者に対する権利関係で誰に権利が帰属し、債権の効力を主張できるかということで、ここにSFCGの管財人も含まれます。
借り手との関係とは、借り手に対して権利主張し、請求するための権利をいいます。
対外的関係は、債権譲渡の登記か債務者への確定日ある通知のいずれかの時間的先順位でもって確定されるます。借り手に権利主張し、借り手の異議に対して対抗するだけであれば、確定日付のない譲渡通知をすれば、足ります。
さらに借り手に対抗(有効な請求という意味)しようとすれば、譲渡通知を、権利を取得する譲受人が送付するのではなく、譲渡人SFCGが送付しなければ、効力を通知の生じない。権利を得たといって、偽装、詐欺通知の怖れがあるからです。また債権譲渡を第三者に対抗するためには、確定日ある譲渡通知(内容証明郵便)を、譲受人ではなく、譲渡人SFCGが借り手に送付しなければならない。

これが民法の基本的教科書理解です。
振興銀行は、銀行の開示説明から、借り手に対して調査し、新興以外には通知が着いているかを確認したにすぎません。しかし権利確定は、譲渡登記で決まるのもです。SFCGには2000年以前から、信託譲渡を大規模にしており、08年10月末の有価証券届出で4200億円の証券化譲渡があることがわかり、したがって金融のプロである振興銀行もその程度も調査しており、当然の知っているとする推論が働きます。しかも証券化の2重譲渡の有無監査は、証券化の資金調達のための債権譲渡直後及びその後は四半期ごとに、監査法人によってなされます。数千億円となっていますから、仮に10本の証券化があれば、年40回の監査を受けていることになりますから、定期的かつ頻繁に調査がありますから。、すぐに2重譲渡が発見され、指摘されます。治癒しない限り、契約義務違反、その部分の譲渡無効、2重譲渡の規模が大きければ、取引が債務不履行となり、全額償還を強制させられます。したがって、証券化信託銀行の登記の先順位は、確定的で落ち度がないといえます。
もう一点の証券化譲渡の特徴は、借り手に対して譲渡通知をださないで、回収は、譲受けた信託銀行がSFCGに専管委託するというもので、回収金は、毎月末、全部の口座の取引報告書とともに、送金されます。借り手は、譲渡があったことを知らずに、取引をしていますが、これは権利関係③の債権の譲渡を受け帰属ある真の債権者は、借り手に対して、対抗できないにすぎず、②の当事者の権利関係は移っており、①の対外的権利関係も登記で確定されている法定関係をいいます。 

新興銀行は、そういった事情を知りつつ、登記の順位ではなく、借り手の認識をもって権利を確定しようとしたという向こう見ずな不注意を侵したか故意によるものといえます。しかも公衆の面前で法の無知をさらけだしたのか、意図的かは知りませんが、権利についての法を知らずして、銀行を運営していると推論されてしまいます。

 すでに説明したように、権利確定には、相手と対抗するには、3種類のあり方がある。ひとつの方法を調査しただけで、自らが権利者だと裁判所も認めてくれません。
しかも譲渡通知は、SFCGが出したものであるかどうか、どこにも報道されていません。ただこれは容易にできます。振興銀行が印刷屋さんに、SFCGの社名のはいった、通常使われている封筒を印刷させ、譲渡通知を出せば、借り手からは区別がつきません。誤認識が生まれる手口となります。
また通常使われる方法は、はがきを利用し、連名で共同して通知を打つ方法があります。譲受人が勝手に印刷することができます。これだと、確定日付がありませんので、借り手に対してのみ有効な通知であっても、譲渡を第三者には対抗できません。
それでは借り手がSFCGが送付した確定日ある内容証明郵便を受け取っているかどうか。これもSFCGの実印なく、E-ネット郵便サービスですることができてしまいます。費用は誰の負担でもいい。そうすると、振興銀行は、この方法によって、通知した場合があるかもしれません。費用がかかるからしないとおもいますが。
となれば、はがきであれば、権利者では全くありません。

振興銀行の立場から攻撃防御すれば、以下となる。
債権の2重譲渡はなせ起こる。
どちらが真正な譲渡と認められるか。

債権の対外的効力を確定するためには、登記か確定日ある債務者への通知が法の定めた確認手段となる。
振興銀行の譲渡については、債務者に対する確定日のない譲渡通知をSFCGが債務者に出している。だから直接回収しているのはすでに説明したとおり。
登記の先順位で確定されるといっても、先順位の債権者とSFCGとの権利移転の有効な実体関係を先順位の債権者が契約で証明できなければ、先順位の登記は、実体権の裏づけのない登記となり、無効を確認されることもありえる。通常、譲渡契約の原因は売買契約あるいは担保契約となるが、合理的相当価格を欠いている場合、詐害的目的などであれば、無効となりうる。
振興銀行としては、重なって譲渡された登記された債権の譲渡が正当なものか、当事者でないので契約内容を知らず、現時点では判断できないと主張するのは尤もだ。
新興側として、先順位の譲渡を疑念をもってとらえる理由は、振興銀行とSFCGとの債権譲渡契約が現に存在し、すでに効力を生じていること、それを明かす証拠として、
a. 相当な売買代金を支払い、
b. 権利移転を受けるため、SFCGが譲渡通知を債務者に送付し、債務者に対抗できる利益状況であること、
c. 振興銀行がローン契約の原本の引渡しをSFCGからうけていること、
の法外観から、どうみても自分が権利者であることを主張する。
そもそも、重複債権者がいるとしても、どうして回収に必要となる権利者の証明のローン契約が新興の手元にあるのか。競合相手は、債務者に通知もしていないし、ローン契約を保有していないし、回収もできない状況にいる。そうした事実状況から、自分こそが債権者だとかんがえると、確認訴訟で争うだろう。
先順位の登記こそが、信じられないなんらかの共謀の可能性があると。
こうした主張をされたら、どう防御するのか。

そもそも証券化は、ローン契約原本を譲受人に引き渡さない。回収については、SFCGに委託するから、その必要もない。ここに、重複譲渡が起こりえる背景がある。登記にしても、登記時点で、2重譲渡登記を防止するシステムではないから、重複譲渡は日常茶飯で容易に起こりえる。実際に、金融実務では、毎月担保の中身を月末付けで洗い替えることは日常的な慣行で、抹消忘れなどもありえる。証券化で、過払い金で譲渡人に戻した債権の登記抹消をしていないケースもある。だから実体上は、戻し譲渡が効力を生じたのに、重複登記がなされることも多い。
そうすると、新興銀行としては、登記を信じない、先順位の実体上の権利関係は知らないとなれば、自分がそこに権利を証明するローン契約を持っている自分が強いと感じるだろう。(注意すればわかることであれば、過失がある認識と考えるが。しかし実体上の権利の得喪は当事者しか見えない。だから信じる他がないのだと主張する。)
これが言い分で、誰が重複譲渡jの正当な所持人か問われても、確認訴訟が確定されるまでは、不確定に置かれることになる。新興が争いをやめて譲歩して、自分の劣位性を認めない限り。
さて、債権は(重複だろうが)新興に譲渡され、通知も打たれ、債務者は振興が(SFCGから借り入れたローンの)新たな債権者だと過失なく認識しており、(真の債権者が誰だろうと)新興にさえ返済すれば、法律上それで免責される状況にあることを認識している。
そこで振興銀行は、SFCGからの借入金の返済という債務を消滅させるため、借り手に対して、自分がローンを出したとしよう。SFCGから借入れしているより、銀行からのほうがいいでしょうとか、金利は15%にしてあげますと誘って、返済に必要な資金を借入れさせ、そして譲渡された債権を弁済して消滅させる。ここで、返済金を受領するのは、そのための金を貸した振興銀行となるが、SFCGからの借入れの債務は消え、振興銀行からの借入れだけが残る。
新興銀行は譲渡債権に対して、債務者に対して対抗できるから、こうした工作が可能である。債権の地位の譲渡と同じ結果が得られることになる。地位の譲渡とは、元貸し手であるSFCGの地位に銀行がなることで、この場合には、債権自体は承継され、消滅せずに、貸し手が入れ替わる。借換ローンを出す場合は、新たなローンとなり、前の借入れの権利関係が債務者との関係で消滅してしまう。

さて、2重譲渡を争うSFCG管財人は、債権譲渡の無効を主張しようとしたら、債権が消滅してしまったという事態に直面することになる。債務者はすでに支払いを完了し、SFCGの債権が存在しないのだから、債務者から何も得られない。それ以前に債務者は振興銀行にさえ、返済していれば免責されたわけだから、振興銀行に対して、無効の確認が認められたら、不当利得返還請求しかできなくなってしまう結果となる。いずれの場合も。
皮肉という問題ではかたずかない債権譲渡の本質的欠陥がでたにすぎない。新聞がそれだけのことを理解して書かなければならないが、金融機関や法律家でない以上、誤報道となっても仕方がない程度の問題だろうか。
また現時点で、振興銀行の譲渡の正当性を争っている以上、無効と判断することはできない。振興銀行は、契約上の信義誠実条項にしたがい、あるいは表明保証条項に従い、2重譲渡がないという契約文言を信じたと主張し、信じたことに過失はないと主張するだろう。過失の相当性の議論となれば、登記を調べなかった不注意の責めを新興銀行が負うとするか、債権譲渡の登記の制度など、実体をはんえいしないことがあり、信頼できぬ点を主張し、契約上の誠実をとったといったとき、過失による有責を追求できるか。

振興銀行はなぜSFCGから2重譲渡を分かっていながらも、債権を譲り受けたのか。
振興銀行は、SFCGから債権譲渡により譲り受けたのち、借り手に対して、金利引き直し計算しない残高をそのまま借りかえるためのローンを懸命に勧誘しているという。
SFCGのローンの譲渡時の残高は、銀行借り換えローンを借りたところで、貸し手の違う新たな契約により、銀行からの借入れ金額として確定されてしまう。
借り換えローンにより、
銀行に譲渡されたSFCGが貸し手の借り手に対する債権は消滅する。と同時に、引き直し前の残高を全額支払うことで、債権が消滅する一方、過払い金を発生させる必然的結果となり、債務者はこれにより、過払い債権者となる。
過払い金を利得したのは振興銀行であり、その直接事実がある以上、不当利得の返還の訴えは譲受人に対してとなる。実際に誰が過払い金を収受したのが、譲渡前にSFCGが一部の超過金を受領しているかどうか、それが譲渡時に売買代価で考慮されて価格が決定されたかは、借り手には関係のない問題であり、譲渡契約の内部の求償関係として処理されるべきであろう。一部の過払い金がSFCGに対して、残りが譲受人に対して請求するというように、譲渡の結果、ふたりに過払い債務が分断されるのは、当事者の問題であって、借り手の問題ではない。そもそも 譲渡が当事者間で、金利引き直しされて代価が決まっておれば、借り手はそうした問題には影響をうけないだろう。

銀行の狙いは、借り換えさせてしまい、自身のローン資産として効力を生じさせることにある。
銀行が借換により、SFCGの譲渡債権を完済させてしまい過払い金が発生したときに、自らが債権を消滅させる行為をしたうえで、過払い金を発生させておき、債務引受がなかったから、契約解除して戻しますと主張することはあるか。その場合には原状に復帰することになるので、完済された回収金は振興銀行の不当利得により、SFCGに返還される義務を負うことになる。その資金をだしたのが、銀行ということになり、振興銀行は、戻し譲渡の売買代価の同時履行で受領できない金銭について、一般債権として破産届出することになる。


破産法モーゲージ・クラムダウン禁止特例条項1322(b)(2)限定撤廃法と住宅差押、サービシング、証券化、住宅ローン価値への影響



住宅担保付ローンに、他の担保債権と同様に、契約内容のmodificationを認め、元本の住宅価値までの減額、金利カット、満期延長、支払額減額の権限を破産裁判所裁判官に容認する法案HR1106が3/5/09に下院を可決された。
78年破産法・下院改正案は、破産裁判所にmodificationの権利を認めようとしたが、公聴会のうやむやのなかで、居住用の主たる住宅だけは、担保権を消滅が容認されず、金融機関の特別優遇策として、特例免除を受けた。secured claim, claimなど条文上の用語のあいまいさ、特例としての定めとしては、通常ではないこと(権利変更できる other than 住宅担保債権)など、
裁判所は、条文の法解釈上、立法の理由と背景から議会意思を探ろうとするが、その点につい議会記録が抜け落ちていることから、裁判所も迷走しつづけていた。

アメリカ個人民事再生手続法1322(b)(2), (5), (c)\(1) 立法史概説 
78年破産法改正で、住宅担保付債権のmodification 禁止特例はどのように盛り込まれたか。
93年Nobelman判例にて、second lienのmodification、担保権債権のクラムダウンが容認されなくなる。自動車やクレジットカードからhome equity loan of creditにシフトが急増し、サブプライムが勃興する契機となる。
94年改正にて、mobil homeが禁止特例に加わる。baloon payment, 短期ローンの特例排除
05年改正にて、自動車購入担保権つき債権が禁止特例に加わる。
07年以降、クラムダウン禁止特例廃止を求める法案の提案が続く。

second lienを消滅させられないと、借り換えを誘導できない。差押防止が機能しない。
second lienを消滅させ、modificationを認めることになると、借り換えによる旧ローン弁済の損失だけでなく、銀行保有のHELOCや証券化にさらに大きな損失が生じる。



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本文 序から
米下院、破産法クラムダウン禁止特例条項廃止法案を可決
――住宅差押防止法案によるサービサーの損害賠償免責と証券化への打撃

(NBL 902号より抜粋)  ............... そんな金融環境のなかで、78年改正は、破産裁判所裁判官に、住宅担保ローンについての契約変更権限を与えなかった。11 USC§1322(b)(2)は、住宅市場への資金供給の促進を目的とする特別優遇策として、所有者居住の主たる住宅を担保とする貸付に限定して減免や権利変更を禁じるanti-modification特例条項を定め、その後幾度の改正を乗り越え、現在も債権の免責、金利変更、期限の延長を認めていない。債務者はChapter 7によらなければ、住宅担保権の消滅が許されない。仮にクラムダウンが認められたとしても、残債務をたった5年の期間1325(b)(4)(B)で返済計画を立てるとなれば、多くの場合に破綻は目に見える。クラムダウンとは住宅モーゲージ(あるいは債務を担保するdeed)の担保権者の地位を住宅価値に縮減することをいう。..............

 

<脚注>
1 S. 2226, H.R. 8200

2  Bankruptcy Reform Act of 1978のための上院司法委員会司法機構改良分科会の公聴会(1977年11月28-12月1日)での金融機関関係者の証言参照。78年破産法改正の議会公聴会資料は、S. 2226とH.R. 8200法案全文の比較を含め1328ページに及ぶ。pp.652-53(Nat’l Consumer Fin. Ass証言); 703, 707, 714-15 (貯蓄貸付機関の貸付意欲をそぐ結果となる); 719-21 (Nat’l Ass. of Real Estate Investment Trusts証言).Grubbs v. Houston First Am. Sav. Assn., 730 F.2d 236, 245, n.13 (5th Cir. 1984). 1975年の同じ司法委員会分科会でも同様の発言があった。124-38 (Am. Bankers Ass.証言), 139-84 (Nat’l Consumer Fin. Ass証言) 

3  Nobelman v. Am. Sav. Bank, 508 U.S. 324, 332 (1993)の理由補足意見(Stevens判事)は、Grubbs v. Houston First Am. Sav. Assn., 730 F.2d 236, 245 (CA5 1984)を引き、立法史として説明する。裁判所が連邦法を解釈する必要のさい、まず法にあたり、条文上の用語が不明確である場合には、議会意思を確認する作業をしなければならない。Blum v. Stenson, 465 U.S. 886, 896, 104 S.Ct. 1541, 1547, 79 L.Ed.2d 891 (1984). 連邦破産法1322(b)(2)条項には、同法のなかで定義のない用語やあいまいな点があるため、裁判所はその法解釈のため、議会意思を検討する。多くの下級審では、立法経緯についてNobelmanを引用し、Grubbsまで言及していない。

4  Nat’l Cons. L. Cent., Nat’ l Ass. of Cons. Bankr. Att., Cons. Fed. of Am., Nat’l Ass. of Cons. Adv., Cent. for Resp. Lend.によるクラムダウン法改正共同提案(4.27.2007)、John Rao, Nat’ l Ass. of Cons. Bankr. Att .(下院司法委員会公聴会9.25.2007)。

5  2007年9月、クラムダウン法を強力に推進するBrad Miller下院議員(金融サービス委員会メンバー)提案のH.R.3609エマージェンシー住宅所有・モーゲージ・エクィティ保護法(he Emergency Home Ownership and Mortgage Equity Protection Act)は、住宅価値への担保権のクラムダウンの適用となるローンを、法の制定から7年間に制限して、差押通知を受領している債務者に限り、当初期間は金利支払いだけで元本払いのない金利金利調整のある非従来型ローンやサブプライムの性格のあるローンに限定した上で、30年間の払いや繰上げ弁済損害金の債権者の放棄を認めるなどローン契約変更を許可し、Chapter 13の住宅モーゲージ優遇取扱いを取りやめようとした。 債務者は大部分のケースでは、Chapter 13申請前に、破産法の要求するクレジット・カウンセリングを受けなければならないので破産申請が遅れてしまうという問題が生じている。差押を受けており、差押から住宅を守ろうとChapter 13の適用を求める債務者にとって、その遅れは重大な障害となるので、どの法案もその問題対策を検討し、特定の状況ではクレジット・カウンセリングの先行条件の完成の延長あるいは例外を認めている。H.R.3609は、カウンセリング要件を満たすため、申請後最大45日間の延長を認める。H.R. 3609, § 3. 2007年10月、S. 2133とH.R. 3778住宅所有者モーゲージならびにエクイティ救助法(the Home Owners Mortgage and Equity Savings Act)はほぼ同じで、州の中間世帯所得基準を満たした債務者に限定し、期限前支払い損害金の放棄、破産申請後までのカウンセリングの遅延の容認の定めはあったが、裁判上、両契約当事者の債権減殺合意を条件(上院案が文書によるクラムダウン同意、下院案が文書不要)としたので、担保債権者の同意なしのクラムダウンというものではなかった。債権者がどのくらいの期間、減殺金額に対して担保権を保持し続けられるかについて、あいまいさが残った。S. 2133, § 2 2007年10月、S. 2136破産法による家族の住宅保護支援法 (the Helping Families Save Their Homes in Bankruptcy Act of 2007)は、取得と収支テストを満たし、債務不履行を治癒するに不十分な所得の債務者に限定し、クラムダウンを認め、期限前弁済損害金を放棄できる。差押による処分期日が予定されている場合には、クレジット・カウンセリングの免除を認める。 2008年2月、S.2636 Title IV住宅差押防止法(the Foreclosure Prevention Act of 2008)は、それ以外のタイトルは破産法に関係しない。

6  Housing and Economic Recovery Act of 2008 (Pub.L. 110-289, 122 Stat. 2654)

7  2008年11月に提案された住宅所有者援助並びに納税者保護法H.R.7307(Homeowner Assistance and Taxpayer Protection Act)は、緊急経済安定化法(Emergency Economic Stabilization Act of 2008)にもとづき財務長官の取得したモーゲージについて、サービサーに差押防止と管理に関して要求することを定めた緊急経済安定化法の修正法案で、立法化されなかった。

8  オバマ大統領は、2009年2月18日、フェニックスDobson High Schoolで、クラムダウンを破産裁判所裁判官に認めるプランを含むモーゲージ救済プランを発表した。財務省が住宅所有者安定化イニシアティブのため750億ドルの予算を準備し、差押防止のため900万世帯(全米で5200万世帯ある)に借換あるいはローンのリスケを支援する。住宅価値よりもローンが高額になり借り換え不能となったローンについて、FNMAとFHLMCの政府管理下にある住宅金融機関が保有あるいは保証するローンであれば、両機関の融資掛け目8割を超えるローンの借換禁止制限を撤廃する。救済適用には延滞を条件にはしない。借り換えの与信基準を緩め、通常住宅価格の8割の融資掛け目を105%までとする。105%以上のローンは一部元本を貸倒償却が必要となり、貸し手の任意とされる。収益が減るFNMAとFHLMCに対しては、それぞれ2000億ドルの損失を吸収できるように追加資本注入を認め、モーゲージ証券の購入を促す。
財務省とFRBは、FNMA,FHLMCからモーゲージ証券を買取りを続け、市場に安定性を保証する。
差押危機に直面する300~400万の住宅所有者を対象にして、ローン支払を支払可能な水準にして維持できるようにする。貸し手は、所得のある債務者に対して(失業者は不適格)、金利を2%にまで引き下げ、返済期限を最長40年まで延長し、5年間は月次モーゲージ支払額を収入の最大38%にまで減額するに必要なローン残高を減額して損失を出して債務免除するか支払い猶予を求められる。財務省はそこから所得の31%にまで減額するに必要な費用を負担する。財務省は、予算からローン条件の変更に協力するサービサーに報酬として支払い、不足分の補助金とする。
また2008年10月制定された金融機関救済法で承認された予算7000億ドルから住宅モーゲージ購入資金として2000億ドルを準備する。
救済プランは3月4日に規則が発布されて即時施行される。Obama unveils $75 billion mortgage relief plan, Associated Press, Feb. 18, 2009; John W. Schoen, No ‘magic bullet’ in Obama housing relief plan, msnbc.com, Feb.19, 2009など

9  前掲Nobelman at 329 

10  In re Pamela Tanner, 217 F.3d 1357 (11th Cir. 2000)

11  Norton Bankruptcy Law and Practice 2d § 121:5, nn. 57 & 57.5 (2000). 8 Collier on BankruptcyとLundin, Chapter 14 Bankruptcyの見解が対立する。

12  権利変更禁止特例により保護されないとするのは第1、2、3、5、9、11の各巡回区裁判所と上訴合議体。In re McDonald, 205 F.3d 606 (3rd Cir.); In re Mann, 249 B.R. 831 (B.A.P. 1st Cir. 2000); In re Bartee, 212 F.3d 277 (5th Cir. 2000); In re Tanne, 217 F.3d 1357 (11th Cir. 2000); In re Lam, 211 B.R. 36 (B.A.P. 9th Cir. 1997); In re Pond, 252 F.3d 122 (2nd Cir. 2001). 8 Collier on Bankruptcy §1322.06 (Lawrence P. King ed., 15th ed. 2000)は、この説を支持する。 

13  クラムダウン禁止を支持する裁判所とテキストは、前掲In re McDonald, n.3参照。Keith M. Lundin, Chapter 14 Bankruptcy, § 4.46 (2d ed. 1994)が支持する説。

14   Bankruptcy Reform Act of 1994, Pub. L. No. 103-394, § 301, 108 Stat. 4106, 4131 (codified at 11 U.S.C. § 1322(c)(1) (2000)).

15  94年破産法改正のきっかけとなったのは、In re Roach, 824 F. 2d 1370 (3rd Cir. 1987),判決が破産により債務者に再スタートをきることを容認する破産法の基本原則に沿わないとの批判が激しかったことから、立法解決を目的としたとされる。議会は、同判例を覆すため、破産法に1322(c)(1)を追加した。140 Cong. Rec. 27,696 (1994), Colon v. Option One Mortgage Corp., 319 F.3d 912, 917 (7th Cir. 2003)参照。下院議会レポートは会員司法委員会メンバーの目を通して公式に提出され、法案審議中の発言としてその全体が議会記録となるので、どの形式の立法史よりも信頼性があるが、間違いがまったくない完全なものとはいえない。Reed Dickerson, The Interpretation and Application of Statutes 158-59 (Little Brown 1975).

Chapter 13のケースでは、差押手続きを自動停止11 U.S.C. § 362(a)させるために破産申請が使われ、債務者は連邦破産法に基づく債務不履行を治癒する権利を課される。その制度により債務者は、モーゲージ債務不履行を治癒する目的で、住居を占有し続けることが許される。債務者が使えるもうひとつの別の法的手段として、競売購入者が物件を購入した後、抵当権設定者は州法上の受戻権を有し、競売価額に相当する金額全額の支払いを求められるが、一定期間(半年から2年で管轄権による)の猶予が与えられる。州法受戻権は、破産法を超え、それに服さない。Commercial Fed. Mortgage Corp. v. Smith (In re Smith), 85 F.3d 1555, 1560 (11th Cir. 1996); Fed. Land Bank v. Glenn (In re Glenn), 760 F.2d 1428, 1442 (6th Cir. 1985).

法は、モーゲージ債務不履行を治癒する債務者の権利がいつ終了するかのタイミングを定めておらず、判断を裁判所に委ねる。11 U.S.C. § 1322(b). 破産裁判所の間では、期限の利益喪失前であれば、債務者がモーゲージの債務不履行を治癒する権利を有しているとの見解では一般的に一致していたが、州法の受戻権喪失後では公平を欠く。In re Glenn, 760 F.2d 1428, 1432 (6th Cir. 1985). モーゲージの債務不履行がいつ終了するかというタイミングは、差押手続きの最初か終わりの2つの事由の間となるが、差押判決と執行による売却処分の間は、州法の執行手続き方法の違いから3~9ヶ月ある。Option One Mortgage, at 914. 抵当権者の売却権資格power of sale合意条項をmortgageまたはDeed of Trustが含み、受託者として行為する第三者に売却権限が委ねられる合、裁判所の関与が必要最小限に限られる差押処分では、売却までには時間を要しない。power of sale差押執行を認める州は30を越える。いくつかの州では、厳格差押制度を採っているが標準的ではない。その場合、債務不履行により、抵当権者が差押による公の執行処分なしに物件を占有、所有権を取得し、売却処分によって実現される超過利得があっても、抵当権設定者に返還する義務を負わず、住宅を単独で売却でき、抵当権設定者は、住宅の残存エクイティを完全に喪失する結果となる。Schinck v. Stephens (In re. Stephens), 221 B.R. 290, 297 (Bankr. D. Me. 1998). モーゲージ差押制度については、1 Grant S. Nelson & Dale A. Whitman, Real Estate Finance Law § 1.4, 7.6-7, 7.9-11, 7.19 (4th ed. 2002).

終了タイミングをどの時点とするかの結果だけでなく、推論の方法について、巡回区裁判所の間で激しい争訟になってきた。第6巡回区は、差押による売却処分の時点で治癒権限が終了すると認識したが、その根拠として政策やエクリティを思慮すべきと考え、In re Glenn, at 1435. 第7巡回区裁判所は、同じ結果を導いたが、理由はモーゲージに関する適用州法に委ね、裁判管轄により異なる結果の可能性を残した。In re Clark, 738 F.2d 869, 874 (7th Cir. 1984)は、ウイスコンシン州法だけが担保権金額を決定し、債務者は同州モーゲージ担保法理に従い債務者の担保権が継続するという理由から、差押判決以降に債務不履行を治癒する権限を有するとした。

議会は、In re Roachまで、この争訟には特に関心を示さなかったが、同裁判所が治癒権限の終了を差押判決としたため、法改正が促された。
貸し手はローンの債務不履行の発生により、期限の利益喪失かを決定しなければならないが、貸し手の任意で必ずしもそう判断されるかは限らない。裁判所関与の差押のもとでは、期限の利益喪失後、債権者は差押申立を訴え、差押判決を得ると、差押売却処分予定が出される。Power of sale合意のもとでは、差押申立は必ずしも必要とされない。いずれの抵当権者の場合も、その利益のための受託者あるいはその他の第三者、多くが保安官が裁判所の介入なく物件を売却する。モーゲージ制度については、上記Nelson & Whitman参照。

1322(c)(1)改正の立法史をめぐる分析については、George Bourguignon, Interpretation of Bankruptcy Code §1322(C)(1), 7 U.C. Davis Bus. L.J. 461 (2007)が詳しい。

16  In re Peggy Cheatham, 01-41977 (Bankr. S.D. Ill. 2002), op.

17  8 Collier on Bankruptcy, 1322.16, (Lawrence P. King ed., 15th ed. 2000)

18 11 USC§1322(b)(11)の追加修正(H.R.1106 §103)。§1322(g)修正は、担保債権許可額を住宅の公正市場価値とする(H.R.1106 §103)。裁判所の元本減免でなく金利引下げの変更の承認の修正は、§1325(d)(H.R.1106 §105)

19 11 USC§101(43)の後に(43A)を追加(H.R.1106 §100)

20 借り手あるいはサービサーにより提案される適格契約変更の審査は、§1322(b)(H.R.1106 §103) 

21  11 USC§1325(a) (H.R.1106 §105)

22 債務者は、Chapter 13申立後30日以内に差押売却処分が予定されていない限り、申立の少なくとも15日前までに、貸し手あるいはサービサーと契約変更について話し合いを試みたことを証明しなければならない。11 USC§1322(b)(H.R.1106 §103)

23  オバマ政権の住宅差押防止対策の一環として、3月4日、ガイトナー財務長官は住宅モーゲージ債務者救済のため、750億㌦もの与信基準の緩い借換と即時のローン契約変更を認める「住宅所有者の収支にあわせた支払いと安定化プラン」を発表した。Homeowner Affordability and Stability Plan. 破産者も除外はせず、差押の執行の一時差止を認める。サービサーとモーゲージ支払削減の費用を共同負担し、サービサーが金額ベースの月次支払いを指針に従い所得の31%に減額した場合、サービサーは各契約変更につき1000㌦の着手金と各債務者につき年1000㌦で3年の維持費を受け取る。延滞していないがその危機にある債務者の貸し手あるいは投資家は、損失の実現費用の負担のため、1500㌦を、サービサーは500㌦を受け取る。前掲注参照。

24 担保付債務について、担保価値が債務を下回る場合には、Chapter 13の§109債務者適格テストには含まれない。

25 Greenwich Fin. Serv. Distr. Mort. Fund 3 v. Countrywide Fin. Corp., et al., No.650474 (Sup. N.Y. Dec.1, 2008)で、371件のサービシング違法の証券化をリストした。契約変更により84億㌦の支払いが減じられた。原告投資家は、州裁判所に対して、ローン契約変更における投資家の権利に関する争訟は、法律問題であるとして、(事実認定審でなく)元本額での契約変更ローン全部の買取を認める宣言的判決を求めた。

26  Countrywide Home Loan証券化CWABS 2007-8発行目論見書参照。 

27  2007年10月30日、前掲H.R.3609審議の下院司法委員会公聴会にて、Mortgage Bankers Association(以下「MBA」)会長David Kittleは、破産法改正により公正市場価値へのクラムダウンをChapter 13破産手続の裁判官に認めれば、1.5~2%のモーゲージ金利上昇が見込まれ、市場へ資金フローが途絶えると証言した。H.R.1106審議中の2月23日、MBAは、ガイトナー財務長官とドノバン住宅都市開発長官に、クラムダウン反対の業界の切なる思いを綴った書簡を送った。http://mortgagebankers.org/files/News/InternalResource/67884_MBALettertoGeithnerandDonovanreHASP.pdf

28  反対理由は、法案成立は以下の結果を招くとして法案を批判する。①クラムダウンで、金融機関の収入が減って、納税者の税金投入が増える。 ②投資できない証券化商品となり、証券化市場から投資家が遠ざかる。③ 金融機関の損失が計り知れない。④国民は、投信や年金を通じてMBS投資家であるが、証券の価値が下がる。⑤GSEの損失が増え、連邦政府歳入に損失が生じる。⑥これは政府が進めるローンの債務者救済ワークアウトではなく、ただ破産を増やすだけで、救済手続きを遅らせるだけとなるなど。http://rpc.senate.gov/public/_files/031009Cramdown.pdf

29  クラムダウン法推進者Richard Durbin上院議員の提案

 

金融界により隠された薄汚れた立法の裏側
サブプライムの蒔かれた種-2

1978年連邦破産法に住宅モーゲージのクラムダウン禁止条項が組み込まれた立法史」の一部から
サブプライムの蒔かれた種-1は「DIDMCA制定の経済金融背景と立法史



1978年破産法改正は、それまでの40年間で初めて包括的な大改正となった。1898年破産法は1938年以来、改正がなかった。当時まだ消費者信用は産業として存在しておらず[1]、したがって消費者破産も多くはなく、統一商法典UCCの法典化の必要もなかった。70年当時まで、破産裁判所は、エクィティ裁判所として、破産裁判所に救済を申し立てる企業の死を免れるための権限を有すると考えていた[2]。そのよりどころは、破産裁判所は破産法規定を実践するために必要となる決定をすることができると定める§2(a)(15) (1970)(78年改正法§105(a)の前の規定)に求められた。学者はその状況を以下のように形容した[3]。

破産裁判所は、状況において必要なあるいは適当とみられる救済は何でも債務者に与えられるために必要なすべての権限を有している。そうした権限の行使は全部一体として裁量的で、裁判所はますます債務者の利益ために権限を行使するようになる。    

その結果、破産法としての統一のある制度は否応なく欠け、死を避けられるかどうかは、法定地の法選択や破産裁判官の考え方にかかっていた。

そうしたさまざまな破産制度上の問題や連邦法としての統一性を欠いているなどの理由に加え、第2次世界大戦以降、消費者破産が増加によって債権者・債務者の関係を扱う破産制度は厳しい緊張にさらされた結果[4]、議会は70年に破産法委員会を設立し[5]、9人のメンバーが任命され、破産法と手続き制度の総点検と包括的な法改正の提案を行わせた。委員会が特に焦点をあてたのは、破産裁判所の会社更生権限の適切な行使について裁判所間の矛盾ある扱いだった。委員会は、73年、裁判所が破綻企業の救済のために必要なことはなんでもすることが認められるという概念を捨て[6]、裁判所の権限行使のよりどころにする条件をあげて成文化するよう議会に提案し[7]、報告書を提出した[8]。報告書は、発見と提案の説明のpart 1と新破産法試案のpart 2の2部で構成され、12章の注解書を含んでいた[9]。

全米破産裁判官協議会は代替案を提出した。75年5月から一年にわたり、94回議会で、両院司法委員会は、両法案に関する公聴会を開き[10]、両院は78年改正法の再起草に取り組んだ[11]。

8年間の検討の成果となった78年新破産で特に重要な改正点は、Chapter 13での担保債権者の契約上の権利の変更を認めるところにみられ、既存の法を改正することを目指した[12]。債務者は清算に怯えることなく資産を保有し、破産による保護を享受できるようにし、債権者にとっても、より大きな利益が期待できると考えた。

破産法委員会の立法提案§6-201(2)では、破産計画は、個人資産により別々に担保された債権を扱う規定を含み、合理的時間内の債務不履行事由の治癒かさもなくはそうした債権の保有者の権利の修正あるいは変更条項を備える。6-201 (4)では、破産計画は、合理的時間内での債務不履行事由の治癒の条項と最終支払い期限が計画にもとづく全ての支払い完了後に到来する債務者の住宅担保により担保された債権及び個人資産により担保された債権あるいは無担保債権について紛争が係属している場合の支払い維持の条項を含む[13]。委員会は、§6-201(2)の変更権限とは、担保債権者の契約条項の修正あるいは変更だけでなく、分割支払い金額、期限を変更する権限を含み、§6-201(4)により、住宅モーゲージにより担保された債権と破産計画では完済されない長期の債権を扱う限定的権限が与えられることを意図したと注釈している[14]。とはいえ、この条項が、分割支払い金額を減額したりその期限を分散させたりする権限を認めてはいない[15]。また住宅担保ローンの最終支払いの期限が破産計画中に到来する場合を除いて、破産計画にもとづいて、それら請求が完済されることも定めていない。未払い金残高は、§6-207の免責条項の適用を受けないが、債務者が計画に従って支払っている限り、本条が付与する権限を使うことが許され、その目的は住宅エクィティを保持するため及び債務不履行事由を治癒して支払いを維持する破産計画によって長期負債を滞りなく弁済するためとされる[16]。

破産法委員会試案の提案後、両院が提案した当初案S. 2266とH.R.8200は、いずれも担保債権の変更を容認する条項を含んでいた。両案は、個人資産により担保された債権と不動産により担保された債権の扱いが異なる点に違いがみられたものの、契約の変更という用語を使った点で同じだった。

上院案の条文は住宅市場への資金流入を途絶えさせる意図しない悪影響がでると懸念する金融業界の猛反対で[17]、上院は法案を改正し、クラムダウン条項から不動産により担保される債務を除外した。上院案は、そのほかの担保付債権の変更を認めた。H.R.8200の1322(b)は上院で修正された。

.2266最終案の提案前に開かれた75年の上院だけの委員会の公聴会で、担保債権者アドボケートが目の敵にしたのは、分割払い金額の減額や担保金額の担保価値までの減額による担保債権の変更を認めるクラムダウン条項で、債務不履行による期限の利益喪失事由の治癒に対して反対の声は上げなかった[18]。S.2266が提案された後の77年公聴会でも、担保権者アドボケートは同様の意義を唱えた[19]。こうした背景から、議会が債権の権利変更を審議したとき、破産法委員会試案と共に、債務不履行の治癒を伴って期限の利益喪失の免脱しようというのが、議会の頭には浮かんでいなかったという見解が裏付けられる[20]。

両院は衝突し、最終案は、当初案から離れ、債務者の住宅だけによって担保された債権の権利変更に制約をかけた。上院法案は、H.R.8220の1322(b)を一箇所修正しただけで、1322(b)(2)から不動産モーゲージにより全部が担保された債権を権利変更から除外したにすぎなかった。S.2266とH.R.8220のふたつの法案の最終修正は、両院での調整を経て修正された。上院は住宅モーゲージ・ローンの1322(b)(2)の権利変更の例外免除の制限を受け入れた。

他方、住宅担保債権を変更できないよう修正された(b)(2)を原則とするものの、1322(b)(5)が適用されるよう修正された。こうして§1322(b)には、2つの矛盾する修正点が取り込まれた。その上、1322(b)(2)と(5)のcure, modifyについて、破産法は意味を定義していなかったが、議会がcureにはmodifyを違う意味で使おうと意図したことは明らかだった[21]。議会記録によれば、主たる住宅により担保される債権は、1322(b)(5)にしたがい取り扱われることが意図されたという[22]。裁判所は、原則ただし書き規定(b)(5)規定の目的が、(b)(2)で住宅モーゲージの権利変更が認められない一方で、その債務不履行が治癒されうるということを強調することだと理解した[23]。1322(b)(5)の債務不履行治癒権限は、住宅モーゲージにより担保された債務証書の支払いの期限の利益喪失を免脱することを認める結果となった[24]。州の差押判決は、期限の利益の喪失を司法上確認するに過ぎない。

§1322(b)の立法史は、モーゲージ債務不履行を治癒するために債務者に与えられる権利の範囲についてあいまいである[25]。議会は、債務者に清算よりも再生を促すために、Chapter 13にそれ以前の破産法のもとで得られたよりもより大きな救済を与えようと工夫した[26]。11 U.S.C. §1322(b)(2)で、議会は住宅抵当権者に優遇的地位を与えたが、他方で、住宅所有がアメリカ人の夢であるとする為政者の社会政策的スローガン、生活向上を目指す住宅優先の政策目的は、改正法が目指した原則とは相容れなかった。

なぜそういう結果になったのかという疑問が生じてくる[27]。立法史は、政治的あるいは社会政策的点から何も語ってはいない。

住宅資金の逼迫懸念と業界の要望を理由にあげたNobelman判決の判事Stevensの理解に対して、議会図書館議会調査サービス局議会弁護士は、CRS報告のなかで、モーゲージ金融市場に資金を促すというのが、§1322(b)(2)の唯一のまた主たる立法目的であったかどうかは明らかではないと説明している。§1322(b)(2)は78年改正法の下院と上院の妥協の産物とは言われるが、本件法案の両院協議会の報告書が存在しない。§1322(b)(2)の立法史に関する議会調査局の調査では、主たる住宅担保権付債権の特例免除の背景となる目的の説明のための審議記録も報告書も発見されない[28]。

Stevens判事の依拠したGrubbs判決がよりどころとしたのは、94回、95回議会での破産法改正法案のための議会公聴会発言とみられる。担保権変更を容認する条項に懸念を表した関係証言を当たってみると、判決文や論文で共通して引用されるのがEdward J. Kulik(マサチューセッツ・ミューチャル生命保険不動産部)の証言である[29]。同氏の法律顧問Robert E. O'Malleyも、それらの条項によって、債務者の一般的信用力が特に強固でない場合には、住宅貸付機関は、貸付に際して異常なまでに用心深くなると発言した[30]。議会が住宅担保権者を犠牲して、住宅所有者に保護を与えれたら、住宅モーゲージの投資としての魅力が失せてしまうことになり、住宅金融は枯渇してしまう。投資用物件とは違い、少なくとも住宅モーゲージは変更されることがあってはならないように法案が修正されるのを真剣に検討することが望まれると続けた。

 

[1] In the Matter of SMITH, et. al., 640 F.2d 888, (7th Cir. 1981)

 [2] Queens Boulevard Wine & Liquor Corp. v. Blum, 503 F.2d 202 (2d. Cir.1974)は、債務者は家族経営の酒店を営んでいたが、不動産賃貸料が支払うことができず、賃貸人が州裁判所に強制退去手続きを申し立て、酒店は退去を回避するためChapter XI手続きを申し立てた事案である。賃貸人はリース契約は、破産法の明文規定にしたがい破産を原因としてリースを終了する権限がある破産条項を含んでいると主張した。11 U.S.C. 110(b) (1970)は、破産債務者がリースを終了するか相手方に終了する選択権を与えるかの明白な誓約には強制力があると定める。破産裁判所は条件付で破産条項を強制し、地区裁判所は破棄し、第2巡回区裁判所は、地区裁判所を支持し、Chapter XIの目的が、債権者の利益にかなっておれば、生存可能な企業を保護することだと説明した。破産手続きで企業の清算を防ぐためのエクイティ上の権限をどの範囲で利用できるかを争った。

[3] Paul F. Festersen, Equitable Powers in Bankruptcy Rehabilitation: Protection of the Debtor and the Doomsday Principle, 46 Am. Bankr. L. J. 311, 329 (1972).

[4] 後掲注・破産法委員会報告書part 1 at 2

[5] Act of July 24, 1970, Pub. L. No. 91-354, 84 Stat. 468; S. Rep. 91-240, 91st Cong., 1st Sess. (1969); H. Rep. 91-927, 91st Cong., 2d Sess. (1970). (Senate Report, House ReportCommittee Reports

[6]  従前の法から脱却しようとする議会意思で明らかな改正点は、議会が最高裁判所に、破産法に矛盾する限り、破産手続き規則Rules of Bankruptcy Procedure(破産法の手続き規定)の発布を禁じたことにみられる。従前の法で権限を付与する規則、旧28 U.S.C. 2075(1976)では、最高裁のBankruptcy Rulesが、実務手続きとなる問題を処理をする限りにおいて、破産法の手続きと矛盾する規定を置き換えた。§ 2075は、最高裁判所にTitle 11での手続きや形式を一般的な規則により定める権限を与えたが、Section 247 of Public Law 95-598, 92 Stat. 2549により最終文を除外されて修正され、同条のより発布される手続き規則は、Title 1128 U.S.C.両方に矛盾があってはならない。1 Collier, Bankruptcy § 3.04 [2][c] (15th ed. 1980)

70年代を通じて、最高裁のBankruptcy Rulesの発布からは、さまざまな問題が生じていた。破産法自体が、順序がばらばらで、時代にそぐわなくなっていたが、そうした状況がさらに、破産手続きをいっそう煩雑にしただけでなく、Bankruptcy Rulesが破産法自体にも重大な影響をあたえることになった。旧法の大部分が手続きの性格を帯びていたため、規定の多くがBankruptcy Rulesによって事実上撤廃されていたが、条文からは廃止されていなかった。裁判所と弁護士は、いったいどれが実体規定で今なお有効なのかを自分自身で決定するのを委ねられてしまった。

70年代のBankruptcy Rulesは、手続き規定を改定・更新されたが、78年法以前の1898年破産法の実体法規定は、38年のチャンドラー法までさかのぼる。Kennedy Countryman, The New Dischargeability Law, 45 AM. BANKR. L.J. 1 (1971)78年改正法でそうした最高裁の権限が認められなくなり、78年改正法には殆ど手続き規定をおかないが、手続き規定があれば、最高裁は、実務運用問題として、書き換えることはできなくない。G. Treister, J. Trost, et al,, Fundamentals of Bankruptcy Law Sec. 1.01, 2.01 (2d ed. 1988) 1898年破産法では、実体権の多くの判断について州法によって決せられるよう委ねていた。州法は1938年以降で大きく変わっていた。特に60年代に広く採用されたUCCにもとづく担保債権と無担保債権の権利の分野での変更は著しかったが、州法に実体規定の利用を委ねて、破産法がその目的(ふたつの債権者の公平な扱いと債務者が一から再スタートを切らせることを容認する原則)を達するか再調査されることはなかった。Kennedy Countryman, The Use of State Law in Bankruptcy Cases (Part II), 47 N.Y.U. L. REV. 631 (1972)

 破産法の原則は限定的に成文化されたものの、破産裁判官と破産弁護士は、統一的には受け入れなかった。裁判所は、エクィティや実質的正義が要請する場面では、「必要性原則」を切り札にして、破産法により具体的に承認されていない扱いの権限も使う。破産法の規定の変更権限の根拠は、§105(a)(裁判所は、破産法の規定を実践するために必要なあるいは適当とされる如何なる令状、決定、判決も発することができる。)に求められ、現実に数え切れないほどの膨大な数の救済を求める申立てが起こった。

それに対して控訴審は、105(a)を会社更生に取り込むには熱心ではなかく、その適用範囲を限定していた。United States v. Sutton, 786 F.2d 1305 (5th Cir.1986). 裁判裁判所は、さまざまな状況で105(a)に基づく救済を定式化してきたが、その条項により付与される権限は、破産法の規定と矛盾がない方法でのみ行使されることができる。破産法は適用法にしたがい取得できない実体権を創設する権限を破産裁判所に認めていなし、エクィティを履践する任務も構成しない。Id, at 1308. その後、第5巡回区だけでなく、第123689巡回区裁判所で、90年代以降、多くの事案は、破産裁判所の権限拡張のため105(a)を適用することに限定的な考えを示した第5巡回区判決を採用した。

Easterbrook判事は、Kmartの申立て以前の無担保債務の支払いを承認する105(a)に基づく決定を破棄し、債務返済の優先順位について破産法の明確な規定から逸れる権限を見つけられなかった。In re Kmart Corp., 866 F. 3d 866, 871 (7th Cir. 2004).

「必要性原則」は破産法から逸れるための権限の名称としては、ちょっとかっこいい。破産法が成文化される以前の裁判所であれば、必要性の名の元に、優先順位を変え、特定の債権者に支払う権限が与えられていた。現代は19世紀の裁判規範ではなく、78年破産法を規範とする。議会は、いくつかの点で、コモンロー原則をあきらめなかった。その必要もなかったことだし。改正破産法は、全体の装置を置き換えた。現代的問題に対する回答は、破産法と議会意思のなかに見つけなければならない。古い原理は、制定法があいまいな用語を使っている箇所では、注釈として使われるかもしれないが、法律の条文を負かすようなそれ自体独立した自由な身分を持っておるわけではない。

Easterbrook判決は、Sutton判決から18年もの年月が過ぎていた。§105(a)を根拠とする批判は、In re UAL Corp, 412 F.3d 775 (7thCir. 2005)

[7] 78年改正法を制定することで、議会は、債務者及び管財人に、従前の会社更生手続きでは使われないさまざまな一般的ではない具体的権限を付与した。11 U.S.C. 363(b)(現金を含め担保権社の担保の使用)、363(f)(担保権者の有効な担保権の抹消され付着しない不動産の売却)、364(d)(既存の有効な担保権に優先する担保権を譲渡した資金の借り入れ)、365(b)(破産以外の法にもとづき破産原因によりリースを終了するレサーの権利にもかかわらず、リースの引受や譲渡)、1124Chapter 11で、破産事由を原因とする期限の利益喪失の契約条項の定めがあろうと社債や信用取引の満期や期限を元に戻す)、1129(b)(2)Chapter 11で、債権者の債権額に相当する新規の証券を債権者に提供して社債の期限の利益喪失条項を無効にするクラムダウン条項)など。1110では、議会は航空機と船舶のファイナンスに特別な扱いを認め、債務者は資金調達合意に得て、すべての金銭債務の60日以内に治癒するかそれとも60日間の延長する。議会が権限を付与するに、法律の規定が一般的ではなく具体的で的確であったことは、立法史を追っていくとその後の改正を見ればさらに明らかとなる。

[8] 破産法委員会報告書と試案については、霜島甲一「アメリカ合衆国連邦破産法改正の背景と草案」判タイ30643

[9] Report of the Commission on the Bankruptcy Laws of the United States, H.R.Doc.No. 93-137, 93d Cong., 1st Sess., (1973). 1970年破産法委員会により税法の専門家として任用されたWilliam T. Plumb, Jr.は、法案に含まれた税に関する条項についての600頁にも及ぶ4論文を作成し、それが立法史の研究には有用とされる。Plumb提案の多くが破産法の一部として組み込まれたり、1980年破産租税法に反映された。H.R. Doc.及びS. Doc.Committee Documents

[10] Hearings on H.R. 31 and H.R. 32 Before the Subcomm. on Civil and Constitutional Rights of the House Comm. on the Judiciary, 94th Cong., 1st and 2d Sess., ser. 27 (1975-76); Hearings on S. 235 and S. 236 Before the Subcomm. on Improvements in Judicial Machinery of the Senate Comm. on the Judiciary, 94th Cong., 1st Sess. (1975)

[11] House Report No. 95-595, 95th Cong., 1st Sess. (1977), pp. 2-5; Senate Report No. 95-989, 95th Cong., 2d Sess. (1978), pp. 1-4, U.S.Code Cong. & Admin.News 1978, p. 5787

[12]  H.R. Rep. No. 95-595, at 118,124 (1977)

[13]  Bankruptcy Laws Commission's Report, op.cit., at 204

[14]  Id. at 205

[15] In the Matter of CLARK, 738 F.2d 869 (7th Cir. 1984)

[16] Bankruptcy Laws Commission's Report, at 206 

[17] Bankruptcy Reform Act of 1978: Hearings on S. 2266 and H.R. 8200 Before the Subcomm. on Improvements in Judicial Machinery of the Senate Comm. on the Judiciary, 95th Cong., 1st Sess. 707, 714-15 (1977)

[18] Hearings Before the Subcommittee on Improvements of the Judicial Machinery of the Senate Committee on Judiciary, 94th Cong., 1st Sess. (1975), at 124-38; (American Bankers Association), 139-84 (National Consumer Finance Association); Grubbs v. Houston First American Savings Association, 730 F.2d 236, 245 (5th Cir.1984)

[19] Hearings Before the Subcommittee on Improvements of the Judicial Machinery of the Senate Committee on Judiciary, 95th Cong., 1st Sess. (1977) at 652-53 (National Consumer Finance Association); 703, 707, 714-15, 719-21 (National Association of Real Estate Investment Trusts); Grubbs, 730 F.2d at 245 n. 13.

[20] In the Matter of CLARK, 738 F.2d 869 (7th Cir. 1984)

[21] In the Matter of CLARK, 738 F.2d 869 (7th Cir. 1984)

[22] 124 Cong.Rec. H11106 (Sept. 28, 1978), S17423 (Oct. 6, 1978)

[23]  Grubbs, 730 F.2d at 246; In re Taddeo, 685 F.2d 24,27 (2d Cir.1982) 

[24] In the Matter of CLARK, 738 F.2d 869 (7th Cir. 1984)

[25] In re Glenn, 760 F.2d 1428 (6th Cir. 1985)

[26] H.R.Rep. No. 595, 95th Cong., 1st Sess. 116-17 (1977)

[27]  In re Glenn, 760 F.2d 1428 (6th Cir. 1985) 

[28]  David H. Carpenter, The Primary Residence Exception: Legislative Proposals in the 110th Congress to Amend Section 1322(b)(2) of the Bankruptcy Code, RL34301, n.15 (Feb.29, 2009)

[29]  Hearings on S. 2266 and H.R. 8200, op.cit., at 714-715

[30] Id. at 715

 

FNMAのbookが、保証クレジット全体でなく自己保有分だけということの投資家にとっての意味
<再増補版>


GSE救済? 債務超過?-FNMA, Freddie 証券の価値評価 (増補版) で分析した数値を、SEC届出された10Qの2008.1Qから再度検討してみる。
 
FNMAのfinancial statement上の資産は、$843,227 であって、保証するMBSの担保資産を含まないことに注意。保証するMBSが、$2,185,292あり、合計保証クレジットが  $2,776,647。資産/資本率など計算する場合に、引き受けるリスクを考える場合には、合計保証クレジットでみる。

Mortgage portfolio     726,705
total assets                   843,227
shareholder's equity     38,836 (4.61%)
total capital                   47,666
equity ratio                      4.8%
% of equity to total credit    1.71%
FNMA MBS             2,185,292
mortgage credit            2,909,108
    guaranty book          2,776,647 

さて、資産には、MBSで担保になっているモーゲージが含まれていないと解される。
なぜなら、資産額がMBS部分を含んでいない以上、含めていないだろう。そうすると、延滞、パフォーマンスは、リスク・クレジット全体なのか、会計上の開示資産なのか、認識を要することになる。
 
FNMAが保有する資産のAlt-A、サブプライムの合計エクスポージャーは、$395,800で、モーゲージとMBSに分けられ、ローンがAlt-A、サブプライムそれぞれ $314,019、$20,815を占める。投資MBSでは、Alt-A、サブプライムは、それぞれ$30 bnほどだが、投資勘定では$108 bnがprivate label MBSとなっている。
 
Mortgage portfolio      716,536
   loans                       410,935 
   MBS Investment      305,601  
 
  Total Exposure       $395,800
                               Loans          total
        Alt-A                 314,019     344,600
         subprime             20,815       51,200
 
したがってAlt-A、サブプライムにそれ以外のprivateのクレジットリスクを加えた金額は、$47,401を加え、$443,201。
しかしながら、MBSなど証券にされておれば、時価評価をされるか、市場がなければ、FAS157にしたがって。評価されるので、元本のままで含み損を抱え放置されていることはない。信用補完を供えたAAAのprivate MBSが1ドル額面に対して70セントで取引されているとき、同様な証券は70%で評価されるだろうし、あるいはそれを参考に、延滞、ネット貸倒のパフォーマンスから客観評価されるかもしれないが、いずれにしても、市場の値があるので、それを参考に処分できないような高い評価で放置されることはない。
それに対して、mortgageのままでは、市場性がないので、fair market valueが存在しないため、FAS159にしたがって評価されることになるのか、FAS157に従うかは調べていない。Alt-A+subprimeで334bn保有しているが、もし市場評価がなされていない場合には、AA格付け証券をストラクチャリングしてみて、信用補完相当額を割り引いて評価しなおすとしたら、100bn程度の損失となるだろう。
ご関心あるかたは、どのような評価がされているか、ご自分で調べられるだろう。

MGIC, PMIなどAA格付けのモーゲージ保険により、 $111,500は、ローン(場合によりプール)はカバーされているが、Alt-A、サブプライムのうちどれだけかは不明。(p.69)

Private label MBS     92,229        CE      AAA
           Alt-A                   30,563       23%    100%
           subprime              30,383       37%     42%
           commercial            25,617       30%    100%
           manuf'd house         3,193       37%     20%
            others                    2,473        6%     98%
            mortgage revenue    16,118
             Private total       108,347
 
         mortgage insured     111,500   

金利未収のノンフォーミングは、  $10,934だが、FNMA発表の延滞率は、1.15% という数字は、保有ポートフォリオに対するもので、証券化を対象にしていない。しかしながら、MBS投資家も、自らのモーゲージの所持人がMBS受託者がFNMAであることから、FNMAが保全手続きに入ったときに、どのように扱われるかについて、資産に対して完全な権利が行使できるか、不確定な要因が残る。場合により、全体がひとつにされ、処理されるかもしれないリスクがないとはいえない。
 
延滞債権会計処理に関して、重大な処理変更がなされていると見られる。
2006年には、延滞債権の行方が、治癒、債務不履行、91日以上延滞のどれになるかの割合は、65%、22%、13%だったが、08Q1では、 44%、2%、54%で、治癒の比率が下がっており、かつ債務不履行にもしないで、延滞が続いている分類に区分されているようだ。modificationがあり、債務不履行にしないで、損失緩和策をとっている猶予しているとみられるが、こうした処理が増えれば、収益を圧迫してくる。MBS全体でなされたとき、延滞扱いでなければ、サービサーによって立替金がなされない、となれば、収益に打撃をあたえる。

Nonperforming loans                    10,934
      深刻延滞                            8,096
 
                               08Q1    07Q1  2006
      治癒                 44%    54%    65%
      債務不履行         2%     23%    22%
      90日以上延滞    54%    23%    13%
 
信託から延滞債権購入額   1,704 (年率換算0.25%)
 
保証料収入                      1,752 (年換算0.25%)
 

<結論>

この結果から、FNMAが倒産した場合に、政府が救済をしなかった場合には、どうなるかについて、前回のノートの結論を訂正する。

なお政府は、社債、MBS投資家を救済することはないのは、発行目論見書から明らかにされている。参考(
FNMA - 暗黙の保証って何? ) そこで、議会は、会社に対して資金支援や株式購入による救済という方法をとって、投資家を保護することになる。デリバティブもあり、個別の取引保証よりは、全体の救済という方法によるだろう。


MBSの投資家は、譲渡金融機関と受託者FNMAとの個別の信託契約にもとづき、個別のモーゲージ・プールごとにFNMAが発行する証券を保有する。証券に対するFNMAの直接保証はないが、個別の信託財産で約定通りの支払いに不足があれば、FNMAが信託財産を補充する責務を負う。それぞれの信託財産を構成するモーゲージ・プールが、コンフォーミング・ローンが担保だけに、きわめて質の高い資産が引当財産として個別証券ごとに設定されるので、投資家はそれにより保証されている。
FNMAが倒産したとしても、投資家はこの信託財産により保証されるし、モーゲージ・プールのサービサーが健全であれば、延滞のアドバンスも受けられるので、特に重大なリスクに晒されるとは考えられない。価格変動はあるだろうが。
他方、FNMA無担保の社債の投資家は、ここにある担保が引当財産となるので、社債$760,340を含む債権者$804,233は、民間クレジット・リスクに55%が晒される(サブプライムとAlt-Aリスクには、49%)。
しかし、
毀損していない資本が$47.6bnに加えて、保証料だけで、$17.5bn営業収益があり、 上記から$100bnを損失とみれば、債務超過というのか、資本不足は、$35bnで足ることになる。
 
投資家は、タイトル12のGSEに関する46章を読まれて、勉強中だろう。
 
Freddie Macについても同様に考えれば、この数値を大雑把に言えば、倍すれば、概況がつかめることになる。 
 Fannie Mae FNMAの保証って何?
金融機関でないひとのために

Fannie Mae, Freddie Macの債務は、MBSを含め、USAの暗黙の保証がつくといわれ、一般に、implicitly guaranteed といわれる。expressly guaranteedと表現されれば、分かりやすい。明白に保証されるの意味だから、契約上の義務であり、強制力・訴求力(裁判に訴えて強制できる)があると解することができる。通常人の頭で、ふつうに考えれば、その明白な保証文言がないのが、黙示の保証と思い込んでしまう。しかし、この暗黙の保証は、明白な保証explicit guaranteeの単純な反対解釈では理解し得ないものだ。

社債契約において、アメリカ政府は、その債務を保証することもなければ、アメリカ政府の債務でもないという。FNMAだけが支払い責任を負っていいる債務というのだ。アメリカのliability(債務)でもなく、支払いはresponsible(責務)でもない。アメリカは、保証をexplicit disavowals 明白に責任と債務を否定している。それが暗黙の保証であると説明されると、真実は何なのか。裏に隠れた保証があるのだろうか。
もはやこうなると、GSEが支払い不能か保全手続きに入れられたら、US政府よ、契約なんてどうでもいいこと、私には、心ある対応をしてくれと叫びたくもなる。心とはなんとも意味深い言葉か。


そこで、証券投資の原典に立ち返り、FNMAのMBS発行目論見書には、いったいどのように記載されているのかみてみよう。

目論見書記載事項を、心ある投資家は、どのように理解して読んだいるだろうか。金融機関におられ、さらにFNMA債にコメントされるほどであれば、当然に知っておられることは、当然に推定される。そして保証が道理的にどう当然と求められるか。
 
証券発行者は、証券法の定めに従い、免除会社を除いて、SECに有価証券届出し、その一部となる発行目論見書を投資家に配布しなければなりません。投資家はその発行目論見書の情報に依拠して投資決定をします。通常、証券業者は、発行目論見書ではない情報を証券の販売に利用することは許されません。したがって目論見書は、投資注文前に投資家に送付されなければなりません。発行者の用いる届出以外の投資勧誘に結びつく情報は、目論見書の一部を構成すると(裁判上)判断されるかもしれません。

証券業者が独自に作成し使用した情報が発行目論見書を構成するかは、開示責任主体でないので、目論見書にあたらないとすれば、規制上使用には認可がいるでしょうか。証券化では、証券会社は、prepayment rate, default rateに応じたamortization factor表などのcomputation materialsを用いることは33証券法の募集についての改正で認められています。supplementary informationを構成するでしょうか。
 
投資家は投資判断するにあたり、目論見書に依拠するので、記載事項について、発行者は、重大な点において正確であり、記載漏れがなく、虚偽表示がないことを表明・保証し、表示責任が発生します。作成者には、詐欺的、虚偽表示、不正表示責任が生じる。社債や証券化では、発行目論見書には格付けの信用記号の記載が含まれますが、格付け機関は、発行者の情報を作成し提供する開示側にはなりませんので、開示責任にはあたりません。

目論見書には、発行者の輝かしい将来の利益予想だけでは誤解を与えますから、リスク・ファクター(財務の不安定リスク材料)を開示することが証券法関係ルールで定められます。購入した投資家はrisk factorsを読んだことが推定されます。プロであれば、当然に読んだことは推定され、裁判で読まなかったという抗弁は退けられます。
 
以下URLにFNMAの戸建MBSの目論見書があります。MBSの保証について説明しているのが25頁にあり、リスクファクターは10頁からですが、それより、表紙の囲みとその前のゴチックを読んでみてください。注意を喚起しています。
これが暗黙の保証の意味でしょうか。
http://www.efanniemae.com/syndicated/documents/mbs/mbspros/SF_April_1_2008.pdf
 
FNMA保証に関して、FNMAは、MBS信託財産が受領する金銭に対して、元利金の約定通りの支払いに必要な金額を補充的に保証する。FNMAだけが、その保証にもとづく支払い責任を負うものであり、MBSの元利金支払いは、USによって保証されませんし、MBSは、FNMA以外のUSあるいはそのいかなる政府機関の債務を構成するものではありません。(太字は原文ゴチック箇所を示す。)
 
囲み
リスク・ファクターの項目については、慎重に考慮されるべし。もしあなたがこれらのリスクについて、理解できなかったり、及び許容できなければ、本件証券に投資をされるべきではない。
 
心あると主張される金融機関は、皆これを読んで投資しています。表紙さえも、読んでいないという抗弁は、認められない。だから皆これを知っていることが推定される。金融機関の暗黙の保証は、その上での発言になる。
 
 
FNMAは、直接MBS保有者に対して保証するのではなく、信託契約にもとづき、証券化のためのMBSの信託財産に対して、約定支払いを可能にする金額の補充的保証していますが、FNMAの保証はそれだけです。したがって、投資家は信託財産に対して直接権利を有しますが、(請求権行使は特定信託の25%超の持分投資家に限られる)FNMAに対して、直接に保証を強制するために、訴訟を提起する権限がありません。
FNMAは、信託財産の支払いを保証するが、FNMAが支払いする能力がない場合あるいは怠った場合、投資家の受領する元利金支払いは、借り手の遅滞払いや支払いできない結果として、その分の金額が減少する。
 
FNMAは信託契約に基づき、特定の事由が生じた場合に、モーゲージを買い戻す義務を負う。
   (a)24ヶ月間連続して、各支払日に、必要なモーゲージ元利金支払い全額がなされなかったとき(延滞のサービシング方針にしたがって延長されるような場合)、
   (b)モーゲージ保険会社/保証会社が(信託契約で認められる期間を超えて)損失緩和救済策の行使の延期をFNMAに求める場合、
   (c)モーゲージ保険会社/保証会社が求償権の行使に関連してモーゲージ・ローンの移転を要請するとき、
   (d)裁判所が買い取りを指図するとき、
   (e)借り手がモーゲージ・ノート上認められるアクション(調整金利型から固定金利に転換する)をとき、
そうした事由が発生すれば、強制買取となり、信託契約上、FNMAの義務となる。買取金が信託に入り、証券はその分、期限前に償還される。
 
結果的に保証と同視できるテクニカルな方法として、信託財産のモーゲージが4ヶ月以上長期延滞した場合には、FNMが債務不履行債権を全額または一部を買い取るという方法でなされますが、FNMAにとっての義務ではなくFNMAのとりうる選択肢のひとつです。モーゲージ・ノート、モーゲージ・ディード、モーゲージの定めに従い、債務者が元利金支払いとは異なる重大な債務不履行に陥り、債務不履行が60日連続して続いた時には、FNMAはプールから買い取り、除外するかもしれない。
 
またFNMAは、売主及び対象モーゲージに関するrepresentations and warranties違反があれば、売主による買取の結果、モーゲージ・プールから、違反となるモーゲージの全部または一部を取り除く。(売主の倒産、保全手続き下になったとき、そうした違反貸付や不適正資産について、FNMAに買取義務が発生するかどうかについては記載がないので、FNMAの任意に委ねられるか。)
また破産裁判所が、債務者のモーゲージ・ノートの重要な条件、金利や元本減免など変更した場合にも、信託契約にしたがい、FNMAには買取選択権があるが、義務ではない。
売主が倒産あるいは保全手続きに入ったとき、証券への弁済が禁止された場合には、FNMAはMBS投資家に必要な支払いをするだろう。(確約ではない。状況によってそうする。)
FNMAに信託契約に定めるいかなる債務不履行事由(支払い不能や保全管理人の任命、信託上の重大な義務の不履行、保証支払いの不履行が発生し、15日以上の支払いのない状態が続く)が発生しても、関係するMBSの51%超の持分権を保有する投資家は、信託契約にもとづき発行される証券のための受託者及びサービサーとしての義務と権利いっさいを終了する権利を有する。ただしそうした場合にも、FNMAの保証は効力を失わない。
 
MBSは、信託契約にもどづき、信託により保有されるモーゲージ・ローン・プールに対する不可分共有受益持分を表象する。モーゲージ・ローンは同一の発行のすべての投資家の利益のために、信託契約にもどづき、受託者の資格で、保有される。
FNMAが、MBS信託契約の受託者となり、信託契約に従い、MBSを発行する。
 
誤解を恐れず、平たく言えば、モーゲージ貸付金融機関が、特定モーゲージ・プールを、信託目的でFNMAに移転し、FNMAは受託者として、信託契約にもとづきMBSを投資家に発行し、信託財産での約定支払いが足りなくなったときには、信託財産にそれを補充して元利金保証します。
FNMAは、MBSの発行者であり、受託者でもあり、保証人でもある。
 
未だにわかりません。投資家が、表紙を読むのは必須であり、アメリカ政府がFNMAのMBSを保証しないし、アメリカの債務でないことは明白にしてある。これは誰もが知っている。さらに、投資家は信託財産に対する受益権という権利を表象した証券を有しており、信託財産に対して請求することはできても、FNMAに対して直接請求できない。
それでも、心を示せというのでしょうか。FNMAに対する法律上保護された請求権を持たず、裁判してもとれないから。


心ある金融機関は、誰かに保証があると騙されたと怒っているのでしょうか。
もし投資家が、証券の投資決定において、販売する証券会社から、保証があるからだいじょうぶという説明を受け、それを信じて購入を決定したとしましょう。発行者から直接売買契約で購入するのではなく、証券会社から購入するので、売買契約の相手方は証券会社となる。
証券会社の口頭の説明では、証券会社の勧誘に虚偽説明があったことを証明できません。もし明らかに、証券会社がdeceptive instrumentを用いて、目論見書の一部と誤解させて、保証だから安心だと説明し、それを信じて投資決定した場合にどうなるか。表紙にまで、USが保証していないし、USの債務でもないと記載されているから、証券会社が発行目論見書以外を利用して、自社作成のリサーチ・レポートを投資勧誘に違法に用いたとしても、証券会社は、目論見書の表紙の太字を見せて、投資家は、特に金融機関であれば、読んでいるとみなされるので、判断を誤るようなことはないでしょうという攻撃で、申立は却下になるでしょう。
アメリカの証券会社の職員は保証されるといっているって、厭債害債ブログさんで、書かれていたような。証券の勧誘に関連して、コメントされているとすれば、目論見書から明々白白なことさえも、投資判断できない投資家には、誤解をあたえるのかもしれない。しかし、投資勧誘して手数料もらおうという動機があるだけで、scienter騙そうとする欺罔な意図が証券会社にあるわけでもなく、その証明もできないだろう。しかし大量に売りポジションをもっていたり、値下がりが起こりえる事実を知っていながら、損失を小さくするために、保証されているようなものと説明している場合であれば、状況が違う。仮にそういう事実が会社としてあることが証明されっても、職員が知る立場にないことが証明されれば、訴答の時点で、競合する反対の事実と同じくらいに説得力がある程度でない限り、申立ては却下されるだろう。

証券化資産の債務者への譲渡通知と信託財産に含まれる過払い金返金請求権をめぐる扱い

 アエル、民事再生会社と証券化財産に関する資産と信用状況 から続く。 

 
(a) 譲渡時、金利引きなおし計算前残高があるケース
債権譲渡は、債権が存在する債権についてしか、譲渡することができない。信託にかつて譲渡されてしまったけれども、そのまま金利引きなおしすることなく、完済された債権は、譲渡の要件を満たさない。(「貸金業債権の債権譲渡をめぐる債権の法的性質、要件事実と譲受人の帳簿保存、取引履歴開示義務
」参考)
金利引きなおし前に、1円でも債権が残存すれば、債権譲渡の対象になるので、譲渡通知が出される可能性がある。譲渡通知の判断は、当事者がするので、通知されるかどうかは不明だ。しかし、引き直し計算したら、すでに過払い金が発生しているから、この債権の譲渡は、実質的に、信託による債務引受を承認する行為になってしまう。過払い金請求は、譲受人=信託財産に対してすることになる。信託財産が債務超過になれば、旧信託法に従って、信託財産の法的主体者である受託者に対して責任を追及することなる。
譲渡は、通知された時点でなされたのではなく、数年前からなされていたので、信託が超過金利を収受していたことは、回収報告を見れば明らかなので、受託者あるいは譲渡者に、文書提出命令をだして、証拠とすることができる。したがって、信託は、債務引受をしたわけではなく、債務者に譲渡通知が送付された時点で、債務に転化していたにすぎない。
受託者は、超過金利は、譲渡者である劣後持分権者に対して配当し、譲渡者がその利益を給付されるよう仕組みができていたとの理由から、優先受益者も、受託者も利益を享受しておらず、不当利得に組していないと抗弁するだろう。信託の仕組み上、配当が誰にあるかの実質論を展開したところで、受託者は、自らの名で、形式上、超過金利を受領している事実があり、第三者である過払い債権者に対して、関係者の事前の合意で利益を分配してしまった、自分はその利益に与っていないことを理由に、責任免脱を主張することは認められないと考える。受託者は、信託財産からではないにしろ、劣後配当を受けた委託者から信託報酬の支払いを受けており、信託契約上、受託者報酬が支払われなかった場合には、信託財産から徴収する権利が認められている。したがって、受託者は重要な不当利得分配に与る権利がある。

 

(b)譲渡時、債務が消滅しているケース
信託に債権が移転されていたが、譲渡通知を送付する時点で、債務が消滅しているときには、譲渡があったことを通知する必要はない。譲渡通知は、債権譲渡により、債権の請求権を有する者を通知することから必要であり、すでに債務が消滅しておれば、その必要がない。
そうすると、1円でも債務があるケースでは、譲渡通知がだされ、権利移転の事実関係を知ることになるが、完済している場合には、譲渡契約が効力を生じ、実際に移転されており、超過金を信託が受領していた事実を知ることができない。

債権譲渡登記を調査すれば、あるいは貸金業法にもとづき、譲渡者の譲渡に関する帳簿閲覧を請求して、譲渡の事実を知ることができる。(注) この場合、受託者に対して、裁判上、不当利得返還を請求することが認められるだろう。受託者は不当利得返還請求権の発生を争ったり、返還を拒む正当な理由が見当たらないと考える。超過金の受領の事実は、回収報告書の文書開示命令による。

他方、過払い金に関しては、同じ東京地裁が管轄のクレディアの民事再生処理での扱いと、著しい違いが生じる。クレディアでは、証券化の債権譲渡について、通知が出されることがないばかりか、過払い債権者は、クレディアの債務として、債権届出するように求められた。
  過払い金返還が生じる債権は、信託契約上、デフォルト・トラップされ、実体上、委託者に戻されているからだ。しかし、いくら委託者に契約にしたがい、自動的に戻されていたとしても、信託が、超過金利を得ていた事実を争うことはできないのではないか。戻されるといっても、結果的に債権が戻されるのではなく、不当利得請求権の相手方、債務者の変更の効果を生じさせる法律関係の変容を意味する。不当利得については受領したかどうかであり、帰属の問題ではない。帰属がないことをもって、受託者に対して請求する根拠の障害事実とは、ならないのではないか。

クレディアでは、受託者に対する裁判は、提起されていないかったと聞く。これは、過払い金返金の届出さえすれば、満額回答を期待できると考える代理人の考えを反映するだろう。結果的に、再生計画提案で、分配のカット率が大きければ、計画案に反対するか、その上で、受託者に対して請求すればよい。届出したからといって、受託者に対する請求権が失権するわけではない。

信託に移転された債権で、すでに完済された債権に生じる過払い金返還の請求は、アエル民事再生手続きで、債権届出することになる。実際には、受託者に返金されて、完済されたにもかかわらず、アエルが譲渡通知を送付せず、届出を望んだからということになる。アエルは、すでに説明のように、重度のの債務超過にあるので、請求権者は、過払い金はカットされ、ほとんど返金がないかもしれないリスクに追い込まれる。

民事再生手続き前に信託譲渡され、受託者に対して、過払い金請求権を有するものは、手続き外の処理として、受託者に対して請求し、信託財産は、債務超過になっていないので、過払い金は満額返金されることになる。再生手続きに届出してカットされ、一部について配当を受けたからといって、債権の同質性が欠ければ、信託財産に対して返還請求は認められる。

 

II. 信用情報の共有の問題

譲渡を受けるのが、信託銀行である場合、全情連加盟していない場合には、履歴情報の共有はできなくなる。BUSが貸金業者となって、受託者から回収事務を受任される場合に、信用情報機関に取引履歴を登録をしようとすれば、債務者の同意が必要なことは、すでに論じた。(「増補版  貸金債権の債権譲渡にかかる信用情報の共有に関する利用権の扱い」参照) 

他方、債権の帰属は、BUSではなく、受託者にある。受託者が信用情報機関の加盟員でない場合、信用情報機関は、登録をうける資産について、サービサーの保有資産として扱うことになるのか、どのように識別されるかは、不明である。今後、こうしたケースが増えることを想定すれば、債権の帰属如何にかかわらず、登録、更新を認める方向に、向かうであろう。

債務者が同意した場合、債権譲渡により、譲渡者の貸付残高は、弁済による債権消滅ではないが、債務が完済同様にゼロとして扱われることは、譲渡者との間で、確認されなければならない。さもなくは、直接、信用情報機関に確認する必要が生じる。 

 

 

(注)  内閣府令(貸金業法19-2に関連して) 

改正貸金業法にかかる内閣府令16条3-5、17条の2、17条の3、23条の2 

2007年12月19日施行された改正貸金業により、債権譲渡が在る(存在する)場合には、貸金業者は、帳簿保存義務と閲覧請求に対する開示義務が定められた。民事再生債務者にあっても、譲渡の閲覧請求があれば、開示義務が求められる。

債権譲渡を受けた者も、帳簿保存義務と閲覧請求に対する開示義務があると考えられるが、「債権譲渡があった」債権とは、改正法の施行後に譲渡がなされたとも考えられるので、既譲渡債権については、遡及効がないと解釈されるかもしれない。

改正内閣府令では、残高のある債権だけ確認できるが、完済債権は、権利がないと読めるのでしょうか。たぶん。完済債権については、信託に、時効の10年間は、かかっていけるはずですが、確認ができないということになりますか。

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(帳簿の備付け) 第十六条   
法第十九条に規定する内閣府令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
  一  法第十七条第一項第四号から第七号まで及び第九号に掲げる事項(第十三条第一項第一号イ、ホ、ト及びヨ(手形の割引及び売渡担保にあつてはイに限り、金銭の貸借の媒介にあつてはイ及びヨに限る。)に掲げる事項を除き、極度方式貸付けに係る契約にあつては次号に掲げる事項と同一の内容のものを除く。)
  二  法第十七条第二項第二号から第六号まで及び第八号に掲げる事項(第十三条第二項第一号イ、ホ、ト、カ及びヨ(手形の割引に
あつてはイに限り、売渡担保にあつてはイ及びヨに限り、金銭の貸借の媒介にあつてはイ、カ及びヨに限る。)並びに第二号ハに掲げる事項を除く。)
  
三  貸付けに係る契約について保証契約を締結したときは、法第十七条第三項に掲げる事項(第十二条の二第三項第七号及び第十二号に掲げる事項を除く。)
  
四〜六  (略)
  七  貸付けの契約に基づく債権に関する債務者等その他の者との交渉の経過の記録
  八  (略)
2   第十一条第四項の規定は、貸金業者が法第十九条の帳簿を作成する場合について準用する。
3 貸金業者は、法第十九条の帳簿を作成するときは、当該帳簿を保存すべき営業所等ごとに次の各号に掲げる書面の写しを保存することをもつて、当該各号に定める事項の記載に代えることができる。
  一  (略)
  二  法第十七条第二項の規定により交付すべき書面第一項第二号に掲げる事項
  三  法第十七条第三項の規定により交付すべき書面第一項第三号に掲げる事項
  四  法第十七条第六項に規定する内閣府令で定める書面第一項第一号に掲げる事項(当該書面に記載された一定期間に締結した極度方式貸付けに係る契約に係る部分に限る。)
  五  貸付けの契約に基づく債権の譲渡契約の書面(第一項第六号に掲げる事項を記載したものに限る。) 同号に掲げる事項
 
第十七条   
貸金業者は、法第十九条の帳簿を、貸付けの契約ごとに、当該契約に定められた最終の返済期日(当該契約に基づく債権が弁済その他の事由により消滅したときにあつては、当該債権の消滅した日)から少なくとも十年間保存しなければならない。ただし、極度方式基本契約を締結した場合には、当該極度方式基本契約及び当該極度方式基本契約に基づくすべての極度方式貸付けに係る契約について、当該極度方式基本契約の解除の日又はこれらの契約に定められた最終の返済期日のうち最後のもの(これらの契約に基づく債権のすべてが弁済その他の事由により消滅したときにあつては、その消滅した日)のうちいずれか遅い日から少なくとも十年間保存しなければならない。
2  貸金業者は、その営業所等が現金自動設備であるときは、帳簿の備付けを行うことを要しない。
 
(帳簿の閲覧等請求権者)第十七条の二
法第十九条の二に規定する内閣府令で定める者は、次に掲げる者とする。
一  債務者等又は債務者等であつた者の法定代理人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人
二  債務者等又は債務者等であつた者の相続人
三  債務者等若しくは債務者等であつた者のために又は債務者等若しくは債務者等であつた者に代わつて弁済をした者
四  債務者等若しくは債務者等であつた者又は前各号に掲げる者から法第十九条の二の請求について代理権を付与された者

(帳簿の閲覧方法) 第十七条の三
貸金業者は、法第十九条の規定に基づき、同条の帳簿をその営業所等ごとに備え置き、法第十九条の二に規定するときを除くほか、その営業時間内に、請求者の請求に応じて閲覧又は謄写をさせなければならない。
 
(債権譲渡後の受取証書の交付)  第二十三条(略)
 
(債権譲渡後の帳簿の備付け) 第二十三条の二
第十六条の規定は、債権を譲り受けた者が法第二十四条第二項において準用する法第十九条の帳簿を作成する場合について準用する。この場合において、第十六条第一項第二号中「第二号から」とあるのは「第四号から」と、同項第三号中「締結したとき」とあるのは「締結されているとき、又は締結したとき」と読み替えるものとする。
 
第二十三条の三 
貸金業者の貸付けに係る契約に基づく債権を譲り受けた者は、法第二十四条第二項において準用する法第十九条の帳簿を、譲り受けた債権に係る貸付けの契約ごとに、当該契約に定められた最終の返済期日(当該契約に基づく債権が弁済その他の事由により消滅したときにあつては、当該債権の消滅した日)から少なくとも十年間保存しなければならない。ただし、.........以下略

(債権譲渡後の帳簿の閲覧方法)  第二十三条の四 
 
(債権譲渡後の帳簿の閲覧等請求権者)  第二十三条の五

証券化債権の帰属主体が信託受託者にある場合の、信託財産に含まれる債権をめぐる不当利得返還請求権の届出債権の認否と当事者適格

権利帰属主体原則か管理処分権原則か、訴訟担当適用か

倒産手続きが、更生、再生、清算のため、権利変容が目的ではありますが、包括執行手続きである倒産処理と通常の個別執行における権利実現プロセスにアンバランスが生じることはないよう配慮されるでしょう。倒産前に係属していた権利実現は、そのまま包括処理に移行する。場合により当事者が変更になったからといって、倒産手続きで訴えが却下されたり取り下げられたりする理由にはならないでしょう。すなわち債権届け出においても、訴訟における当事者適格に関する訴訟要件と同様に扱われなければなりません。

財産権をめぐり訴えを起こす場合の当事者適格をどのように考えたらよろしいでしょうか。この場合の財産権とは信託財産をいい、紛争とはその財産権をめぐる権利関係をいいます。平常時の場合には、受託者に譲渡された事実は債務者に通知されておりませんし、債務者は、どこからか自分の債務が譲渡されている事実を知って、承諾するという機会も限られます。平常時では、信託の譲渡者は、信託受託者との間の回収事務委任契約にもとづき、債務者との間の法的関係に変容はありません。

信託財産について債務整理により、和解調書、和解契約を作成するに、債権の帰属がある受託名を本人とし、あるいはまた回収事務受託を顕明して、和解契約が作成されたという話は聞いたことがありません。代理的構成でとらえるとき、代理人(及び本人)が債務者に、誰に帰属があるかを知らせることなく、債務者との関係では、代理人が本人として、和解契約の当事者として表れます。仮に財産権の帰属を中心にして法律関係を考えるとき、和解契約成立前に、債務整理債権について、信託の一部解除を原因とする譲渡登記抹消、債権の返還あるいは信託委託者による債権の買戻がなされておらず、信託受託者に、実体上および外形上債権の帰属がある場合、本人が当事者として作成しない和解契約をどのように位置づけるか。

回収事務受託者と信託受託者との内部関係では、無権代理とみなされる行為でしょうか。それとも個別の債務整理について、事前の同意があって、和解契約する権限が与えられているのでしょうか。
ここで回収事務受託者の名で和解契約する権限とは、処分権を有することになります。処分権を定義する必要はありますが、権利の実体上の変容を目的とする法律行為であり、管理権に内包あれるかそれを超えるか争点になるかもしれません。たとえば契約上の金利や満期、月の約定返済金額を変えたり、支払いがないが元本を免責するなどの重要な契約条項について、契約上の地位にもとづく実体上の権利の変更が、管理権とされるかどうか、処分権なのか。しかし金利、満期、借入元本の履行によらない消滅を認めてしまったら、債権自体が変容してしまい、何を譲り受けたかさえ不透明になり、価値の認識ができなくなるし、詐欺債権を容易につくりだせ、後で譲受者と話をきめればいいというのはありえないことだ。XはYから100を借りました。Yはローン上の地位の承継を伴わず、金銭消費貸借契約から生じる債権AをZに代価100で譲渡し、Yに回収委任の事務を委ねました。債権Aは、YがXとの間で、半分消滅させることができるとしたら、Zの権利の侵害どころではなく、詐欺行為に相当する。したがって、債務整理の和解をする権限が与えられるとは、処分権が与えられたと実質的に同じだと考える。      
明らかなことは、回収事務受託者には信託財産を転売処分したりする処分権、帰属の関係に影響を及ぼす法律行為までは与えられていない。そうすると一部の処分権ともなう回収事務受託ということになる。債権の帰属は移転しているが、限定的ながら管理処分権が回収事務受託契約により設定的に元に戻ることになる。そして実体上権利の帰属を信託においたまま、譲渡債権に固有の利益を有する権利者として、延滞債務者に対して給与差押など権利執行を含め、訴訟行為も管理権限の義務履行として、債権の実現もできることになるのか。さてそうなれば、信託に帰属する権利の実体は何なのか。信託財産とは何か。
実際に信託の一部の解除や買い戻しを伴わないで、債務整理する証券化取引がないわけではないだろう。回収事務受託者が、債務者との関係では、実体上有権的に処分権を行使し、その法律効果を、信託財産に直接帰属させると構成するという当初から回収事務受託契約で定めがあるとする。法律行為の効果とは、和解により、債権の一部または全部の消滅、過払い金返還請求権の発生を意味する。和解じたいは、財産権処分をともなう実体上の権利変容をもたらす法律行為であるかもしれないが、金利引きなおし計算して、元本の消滅、不当利得発生は、争いがなければ、事務行為と考えられなくもない。
信託財産に直接和解の効果を帰属させた上で、信託財産が被った損失について、債権に当初から瑕疵があった、それとも取引履歴から元本計算違いで価値の合理的価格決定ができなかったという理由にしろ、信託譲渡者に補償請求する。補償、信託財産上の費用の償還請求、損害賠償、いかなる理由にしろ、帰すべき責めは、譲渡者にあったから、負担して欲しい、応諾するという合意であり、そうした負担付譲渡であったと考える場合。あるいは乱暴ではあるが、処分権まで移転していないのだから、回収事務受託者がなした法律行為は権限外の行為であり、法律効果の直接信託帰属を認められないので、自分で責任を負担しなさいと主張するか、さもなくは一旦信託に帰属させ、権限外行為についての損害賠償を求めると構成する。この場合は、信託の一部解除が事務的に遅滞した場合をいうのだろうか。

再生手続きで管財人が指名されない場合には、当時者適格についてうるさく検討する必要がない。再生債務者がそのまま事業を継続しており、一部の完全な管理処分権を有しない信託財産を除くすべての財産の完全な管理処分権も保持しているからだ。そうすると、信託受託者から回収事務受託した債権についても、従前通り、債権の帰属を変更する以外の処分権を行使できる権限を有していると考えるが、事務受託者として権限を行使しない自由もある。

回収事務委任契約の実体が、こうした管理処分権の設定譲渡をともなうものかどうかは、その権限委譲の法律構成は、契約書を確認しないとわからない。契約によっては、処分権まで回収事務受託者に移転される場合とそこまではされず、信託の一部解除か買戻で対応する場合があるとした場合の債務者との関係でどのような違いが生じるか。債務者はいずれにしろ、自らの置かれた法律関係に変容があったことを知らないので、債権譲渡によっても、取引の安全という点から、債務者が害されてはならないし、無知なままおかれたのは、債権者の都合であり、法的に保護されるべき立場にある。

信託譲渡者に管理処分権が戻されている場合、権利の帰属は第3者に移転されたままでも、不当利得返還請求の訴えを提起する場合の被告として、当事者適格が誰かの訴訟要件を検討しなければならない。もし債権の帰属が信託にあるといいう理由から、帰属主体により被告適格を確定させるとか、再生債務者に対する訴訟追行を認めないで却下するに及ばないのではないか。法律関係の変容について通知を受けていない債務者の法的権利の保護の点から、被告適格を争われるというよりは、請求原因を欠く訴えとして請求棄却されるおそれは生じよう。その時点で結果的に権利帰属主体、処分権者が明らかになる。権利帰属主体でない第三者を相手に訴訟して、請求が認容され、その判決効を本人=信託財産に及ぶとすることは、再生開始前、実体上契約当時者が望んだことである。しかし帰属主体の本人が、その場合、権利の帰属主体としての資格を権利紛争の当事者適格とし、処分権さえもたない譲渡者を債権に重大な利益を有するものとして訴訟担当的な訴訟に異議を唱え、担当者の得た判決がその担当者に当事者適格があった場合にのみ被担当者(=信託財産)に及ぶものであり、判決に拘束されないと主張したい場合、被担当者は後訴して、担当者の当事者適格がなかったことを主張して、自己には判決効が及ぶことを阻止することは認められるだろう。結果的には、請求原因なしによる棄却とかわらない。もともと権利帰属主体が認識されていれば、共同して訴訟に取り込み参加させ、判決効を及ぼすことはできるが、それが不明であれば、確認の訴えでもせざるを得ない。
こうして、こうして債務者に知らぬところでつくられた利益状況のなかでは、当事者適格については、係争権利の帰属主体としての資格と係争権利に関して誰が正当な当事者であるための資格を有するかを基準に、訴えが却下される理由は十分でないと考える。判決の効果が第三者(信託財産=受託者)に及ぶとした場合、管理処分権の実体によっては、対世効ある確認訴訟かという点や、当事者適格の問題は、判決効拡張議論、あるいは多数当事者訴訟議論に関連してくる。

したがって、権利帰属主体でなくても、完全な管理処分権が信託譲渡者に委ねられていなくても、対債務者との関係で債権の帰属が明らかにされていない以上、再生債務者に、他人の財産である信託財産の権利についての争いに関して、訴訟上上、当事者(被告)適格を有すると考えるので、包括執行手続きとなる再生手手続きで、届出された不当利得返還請求権が認否の時点で、債権の帰属原則で否定(訴訟却下と同質の効果)される正当な理由はどこにもないと考える。

再生申立時において債務者より受任を受けた債務の処理に関する扱い

債務整理の信託事務の一部の解除について

信託譲渡の委託者であい、回収事務受任者は、信託譲渡を通知されていない債務者に対しては、自己の固有の債権として、裁判外及び裁判上においても、元本減免に応じられる権限を委託されていない。そうすると、「無権代理」行為が行われたかのごとくの法律効果の帰属の問題となる。「本人」が追認しない限り、回収事務受任者のなした事務委任者(信託銀行)に対する(事務委任者により主張される)「不利益」行為の結果の帰属については、権限外行為として、事務委任者が内部関係で否定し、結果として損害額について、賠償を求めるというものである。その場合、信託受託者の再生会社に対する請求は、再生債権扱いとなる。
債務者(その代理人)は、債権が回収事務受任者にあると信じ、一寸の疑念もいだくことがなく、交渉しており、確かに和解合意の上にも、回収事務受任者の署名、捺印しかないことが確認される場合に、債権が譲渡され、さらに回収事務受託があったことを推定することなど、どういう能力と注意をしても不可能なことであるので、あとから「本人」が出てきて、回収事務受任者のなした行為を「無権代理」行為類似を理由に無効とすることができない。

信託事務受任者が財務上健全であれば、代理権の受任があった債権については、事後的に(ただし債務整理の和解が確定する前までに)、信託を一部解除することで、あるいいは買い戻しすることえ、信託財産から信託譲渡者に戻され、信託譲渡者は、自己の保有する債権として、債務整理することができる。

8月末までは債務整理債権については戻し譲渡がなされていたとする。しかし、再生申立以降において、戻し譲渡の通常の信託処理が継続することができるのかという問題と、移転された権利が戻されないまま、債務整理になる場合、すなわち債権届出され、認否されるとき、どのような処理になるのか。

信託契約と回収事務委託契約の開示請求の根拠について

以下の通り、債務整理、過払い金返還の請求権の処遇についてはふたつに分かれる可能性がある。
① 8月末までにすでに過払い金返還の和解が確定しているものは、信託解除されて、戻されているので、その額が再生債権となる。
② 再生手続き申立時点で、まだ債務者から代理人の受任がなされただけで、引きなおし計算さえ確定していない債権については、いまだに信託に移転されたままになっているのかどうか。戻し譲渡をしない限り、他人名義の財産についての法律行為は許されないので、かりに交渉権限が認められるとすれば、債務者にとっての取引の安全を保証するため、回収事務委任の「本人」が誰かについて、「基本代理権」類似概念(委任状)を表示する必要がある。その上で、「代理人」的な委任を受けて、交渉していることを通知し、交渉過程及び和解の文書は、回収事務委任者「本人」とし、回収事務受任者「代理人」が自己の財産としてではなく、他人の財産管理の「代理人」として署名する必要がある。そうすることが可能であれば、「代理人」がなした法律行為の結果は、代理人に帰属することなく、直接「本人」に帰属させることができる。
もうひとつの扱いとしては、債務者に対して無権代理的な行為のリスクを排除し、取引の安全を配慮する方法として、回収事務受任があったことについて、債務者に通知し、法律行為の結果を、「本人」でなく、回収事務受任者に全面的帰属させ、その後に回収事務委任者に移転するというもの。そこで回収事務委任者が委譲された権限の範囲を争われるかもしれないが、債務者には影響がない。
こうした場合、「基本代理権」「基本授権」の内容確認について(国の認める資格のある訴訟代理人、債務整理代理人の注意義務の範囲と考える)、信託の受託者から正式にかつ有効に回収委任を受けていることの証明として、回収事務受託契約の開示を求めることになろう。表見代理の「基本代理権」確認作業は、要件論からは、法律上も判例上も、押印があれば、委任状の記載事項までを求めないが、委任の期限、解除、委託義務の内容について、無権代理かどうかの確認もあるので、紛争防止のためという意味からも、委任契約の開示を求めるのは、過ぎた要求ともおもえない。 
ところで、信託譲渡した信託財産に関する信託受託者と信託委託者との間の回収事務委託契約は、信託の財産管理処分事務委託契約=信託(譲渡)契約が効力を生じた前提として始めて成立する。信託が効力を生じ、信託財産の管理処分権が信託受託者に移転していなければ、回収事務委任契約の効力は生じない。したがって、信託譲渡契約も参考資料に一体として開示請求することになる。権利の内容の規定が、信託譲渡契約に定めがあり、委託される取立権利の内容がそこから発生するからだ。

そのためには、受任を受けた債務者の代理人が債務整理をするとき、回収事務受任者が「有権代理」なのか、自己の固有の財産と同様の扱いをしているかの確認する義務をおわないか。なぜなら、登記上から、証券化されている債権が260億円あることが分かっておれば、確認をする注意義務が生じるのではないかと考える。他人の帰属になった財産について、無権代理者と和解を成立させても、その和解債権が再生手続きで再生債権として扱われ、分配を受けられても、信託財産に対しては(訴訟)追求することが困難になってしまう。

もし債務者の受任代理人が、信託債権について、必要な注意義務を怠り、再生手続きで満額分配を得られなかった場合、通常、代理人に求められる範囲と過失によるものかの判定基準をどう考えたらよいか。

上記①について、さらに分析する。
信託解除され、信託の委託者に戻された債権について、債務整理、過払いが発生していて、債権届出する場合、仮にH15.8.1~H19.7.31までの期間、信託にあり、それ以降、信託委託者にもどっている場合をどう対応するか。信託が不当利得を得ていた期間分、信託に請求できるか。

不当利得返還請求権者としては、誰から返還されても同じなので、譲渡者と譲受人の連帯債務と考えて、再生会社から満額とれたら解決とし、あとは信託銀行と再生会社との内部求償の問題とされる。満額分配を再生会社から得られないとき、信託保有にあった4年分について、信託に訴求していくことができるか。その場合、4年間、信託にあったことを証明しなければならないので、裁判所に文書提出命令を出してもらう必要がある。その場合、債務者には、戻された債権か、信託に一度も譲渡されたことがない債権なのかの識別が分からない。そうすると、本件の請求を求める場合、全部の債権について、文書提出を求める必要があるか。

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